1/9/2023, 10:36:04 AM
三日月
綺麗、と口にしたら
すかさず頷いてくれる人がいた。
星にも詳しいその人は
いつも天の情報を届けてくれる。
「あの月の名前は...」
語り出すその声が心地よくて。
私は空が好きになった。
普段は何もしてくれない空が、愛おしくなった。
1/7/2023, 3:11:01 PM
雪
少し赤くなった手を
震える手で繋いだ。
あの春の香りを
待つためのお手伝い。
静まった世界に
2人で篭ろうか
大丈夫、すぐに暖かくなるから。
1/6/2023, 11:24:02 AM
君と一緒に
ひとりが好きだった。
あなたが隣で
カラカラと笑うまで。
ひとりが嫌いだった。
誰にも言えない我慢が
積み重なっていくから。
2人が好きになった。
私が隣に立つたび
あなたが喜ぶから。
1/5/2023, 10:50:01 AM
冬晴れ
ただ水が欲しい。
宵越しのペットボトルを情緒なく飲み干していたのに、外がやけに眩しくて、私はそんな天候に飲まれてしまった。
そうだ、少し洒落たカップに紅茶を入れよう。
突然、私は思い立った。
いい天気だ。
窓辺の掃除はさぼっているけれど、このまま貴族のような朝を過ごすのも悪くない。
葉の名前なんて見ない。良い香りがするだけ。
一口啜って、私は微笑んでいた。
それは誰も知らない笑顔だった。
1/5/2023, 10:14:36 AM
幸せとは
自分が今の人間であることを許せた時。