12/27/2022, 10:05:31 AM
手ぶくろ
割れた爪を隠そうとして、取り急ぎで買った。
指先がスマートフォン対応の、少しハイテクなもの。
いざ文字を打ってみると、全然だめだった。
間違いだらけのメッセージを、私はそのまま送った。
「すくにがえりはす」
「わかりました、暖房を付けました」
間髪入れずに表示されたシンプルな内容を追いかけて、私は帰路を辿る。
今日は一際、暖かい場所が待っている。
12/27/2022, 10:01:22 AM
変わらないものはない
毎年のことだから
悔やむのも振り返るのもやめた
一年が365日なのも
寒くなればまた暑くなるのも
何もかも私のためではないから。
12/25/2022, 10:13:37 AM
イブの夜
暖房もない、気密性のカケラもない小屋みたいな部屋で、悴む手を無理矢理動かしながらケーキを食べた。
もったりしたクリームが年末を物語っていて、結構、こんなのもいいかななんて、場に飲まれて思った。
12/24/2022, 10:58:46 AM
プレゼント
つまらないものですが。
と渡されたのは
オリジナルの絵が挟まった
ポケットティッシュでした。
12/23/2022, 7:40:03 AM
ゆずの香り
ちょっとした小物に
黄色いものが多い君は
ただ黄色が好きなだけじゃなかった。
あの日貰ったハンドクリーム
ずっと使いきれていないよ
喉がかさつく頃になると
まだ残っているのに
何故か同じものを探してしまう
これが無くなってしまったら
君がいなくなるような気がするから。
私は好きだよ。
黄色も、また手を繋げたような感覚も。