アクリル

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12/21/2022, 11:39:07 AM

大空


うっすらと嫌われてるのかなって
ふと不安になった。

何も答えてくれない雲に
問いかけてみた

ねぇ、私には魅力なんて無いのかな
好かれるような人間じゃないのかな

雲は何も言わないで
ただふよふよと流れて消えた

やけに安心した
その無関心さが救いだった。

そっか、ひとりになりたかっただけか。

答えをありがとうね
そろそろ首が痛いから帰るよ

じゃあまた、この丘で。

12/21/2022, 8:52:56 AM

ベルの音


いつも通りにスイッチを引っ叩いた。
塗装はもう剥がれて、縁は少し歪んでいる。

ありがとう、大事にするね。って言ったあの日から数年。
あんたはもうどこにもいない。

ごめんね、捨て方もよくわからなくて。

まだ使えるからさ、惰性で毎朝起こしてもらってるよ。


でも、結局...

あんたの声が、一番心地良かった。

12/20/2022, 7:36:00 AM

寂しさ


無為に絡んでいた人間が散っていく

面倒だから。と吐き捨てた直後の

あの憂いはなんだったのだろう
あの勿体無さは、どこから来たのだろう


12/18/2022, 10:30:06 AM

冬は一緒に



手がガサガサだぁ。

なんて、間抜けな声でこぼして

しきりに手を擦り合わせたり
息を吹きかけて暖めようとしたり
動けばいいんだと言ってバタンバタンと飛び跳ねたり

とにかく忙しい

どうしてその無駄な抵抗は思いつくのに
ハンドクリームを塗る発想にはならないのだろう。

乾いた空気が
鼻をツンとさした。

次はどんな奇行を見られるかな。

12/18/2022, 2:37:02 AM

とりとめもない話



飽きることを知らないやりとりは
いつか鬱陶しくなるのだろうか

思い出のような、愚痴のような
終わったことの羅列で

忘れていた季節を思い出す

こんな中身のない会話で
小さな自分が見つかる

そんな無意味な時間に
頼り切ったままでいいのか

そのままでいいか。
そのままでいいや。

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