12/9/2022, 12:26:28 PM
手を繋いで
通知はいつも通りの淡白なメッセージ。
慣れた味気なさに、無関心の予兆と小さな恐怖心がじわりと滲んだ。
日を重ねるごとに頭を占めていく不安感が厄介だ。
ただの心配性?
手が震えて止まらない。
寒いからだ。きっとそうだ。
白い息が空に登っては消えていく。
不意に背後で砂利を踏み締める音がした。
「待った?帰ろ」
夕冷えの空気を暖めるような、柔らかい中低音が心地いい。
「うん」
手の震えは、もう無くなっていた。
12/8/2022, 1:12:03 PM
ありがとう、ごめんね
ありきたりな口上に
不覚にも動揺した
素直に受け取るか
顔も見たくないと跳ね除けるか
礼を言われる筋合いもないのに
少しばかり大人ぶったアンタを
惰性で捨てられない。
12/7/2022, 3:11:54 PM
部屋の片隅で
四肢を投げ出して、天井を見ていた
捨て損ねたゴミ袋 溜まった洗濯物
分刻みで設定したアラームも
スヌーズのまま止まらない
全て無視して 震える手で
耳を塞いで蹲っていた
こうしている間にも
周りは生き抜いている
社会は動いている
みんな、生きているのに
私だけがゾンビみたいだ
生きてるなんて思えないや
西日が刺してきた
また生き延びてしまった。
12/6/2022, 11:45:57 AM
逆さま
吊られている
視界が欠けていく
忘れていたはずの光景が噴出する
あの日の、あの場所の...
あの子の顔と
あいつらの声
こんな終わり方
心地良いとは言えないな
誰だろうか?
この方法が適切だなんて
真っ赤な嘘をついたのは。
これじゃあきっと
あの子のもとへは逝けないな
12/5/2022, 1:28:32 PM
眠れないほど
「あとでかけ直すね」
互いの気遣いと
鵜呑みにできない期待
窓辺であなたの声を待つ
悠長に寝転んでなどいられない
「ごめんね、遅くなっちゃった」
あなたは朝に怯えている
説明のつかない苦痛は
私に押し付けて?
あなたの夜が明けるまで
私が守るから。
「いつもありがとう」
泣かないで。隠せてない。
安心して。
大丈夫だから。