お椀のお舟でどんぶらこ。都を目指してどんぶらこ。
ゆっくり行きたいけれどそうもいかない。
さっきから後ろをティーカップを舟にした奴が煽ってきている。
流れ任せで避けようにも避けれず、同じ流れを辿ってずっと煽ってくる。
ティーカップの奴、めっちゃイラついてるけどどうしようもないや。
(ティーカップ)
一寸法師のオマージュ、煽りどんぶらこダメ絶対。
「悪気はなかったんだ」
そう言い訳をしてまで助かろうとしていたけど、どんどん泥舟は沈んで泳げない君もどんどん沈んで。
水面の揺らぎもなくなってからやっぱり寂しくなって飛び込んで。
引き上げた時にはもう遅くて、寂しくて、今度は二人で沈んで。
(寂しくて)
カチカチ山のオマージュ、悲しく寂しくバッドエンド。
確かにキスで目覚めたかもしれないけれど、だからといって貴方の事が好きになるわけないじゃない。
そう言われて、心の境界線を言葉にされて、1人部屋に戻ってただぼーっと窓の外を眺める。
(心の境界線)
白雪姫のオマージュ、残念王子様の様子。
傲慢な王様が各地より集めた裁縫家達に言います。
「より希少で豪華な服を作ってまいれ」
実質王様の気分次第で変わる無理難題。
ある者は宝石をあしらい、ある者は金をあしらい、またある者は鶴の羽根で織られたという生地を使い。
そんな中1人、装飾が無い服を作った者が居りまして
「貴様、これはどういうことだ?」
「はい王様、こちら透明な羽根をふんだんに使用した服となっておりまして、特定条件下でのみその豪華さが現れるのです」
それを聞いた王様、ならばその特定条件下とやらを再現出来るかを問いますが、裁縫家はその条件を一切口にする事はありませんでしたとさ。
(透明な羽根)
裸の王様のオマージュ、透明だけど触った感触はあるので実体はあるようです。
「皆さん集まってください。あっ押さないで、見える所でお願いします。」
小さな女の子1人を囲んで街の人達が集まる。
「残り3本しかありません。失敗しないよう協力お願いします。では刷ります!」
女の子がマッチを刷って灯火を点ける。
そのあまりに小さい灯火を囲んで、街の人達はそれぞれにその火の中に美味しそうな料理を見るのでした。
(灯火を囲んで)
マッチ売りの少女のオマージュ、街中の人達も飢えているようです。