おじいさん、行かないでと、願ったのに、なんで行っちゃったの?
僕は今もう、動けない。
鼻が伸びすぎて、壁に当たって、顔を曲げることも出来ない。
どうして、行ってしまったの?
(行かないでと、願ったのに)
ピノキオのオマージュ、おじいさんを助けに行く事も出来なくなったピノキオの様子。
コレは誰にも内緒だ。
まさか狩った鬼の角を標本にしてコレクションしているなんて誰にも内緒だ。
コレは誰にも内緒だ。
桃太郎さんが標本にしてる鬼の角をたまに齧って遊んでるなんて誰にも内緒だ。
コレは誰にも内緒だ。
犬が遊んだ後の標本を売ってお金に替えてるなんて誰にも内緒だ。
コレは誰にも内緒だ。
猿が換金して来たお金で標本を買い戻して桃太郎さんの標本の箱に戻してるなんて誰にも内緒だ。
(秘密の標本)
桃太郎のオマージュ、角標本の秘密。
「おじいさんおじいさん、早く起きてくださいな」
慌てた様子のおばあさんの声にゆっくりと起き上がったおじいさん。
昨日より冷え込みが強く布団から出るのを躊躇います。
「おじいさん、早くこれを見てくだされ」
「外がどうしたんじゃ?」
掛け布団を羽織ったままおじいさんが玄関戸まで来ると、山と積まれた野菜や米俵、熊肉に鹿肉まで。
凍える朝の気温のお陰か、腐ることもなく積まれています。
「あぁこりゃ、どういうことじゃろな?」
昨日、笠をお地蔵様に被せた事などとうに忘れているおじいさんなのでした。
(凍える朝)
笠地蔵のオマージュ、食べる前に一応傷んでないか確認必須ですよ。
「ねえおばあさん、おばあさんはなんでそんなに皺だらけなの?」
「それはね、加齢によるものだよ、赤ずきん」
「ねえおばあさん、おばあさんはなんでそんなに陰影がはっきりしてるの?」
「それはね、彫りが深い顔立ちだからだよ、赤ずきん」
「ねえおばあさん、おばあさんの似顔絵描くの大変なのだけど」
「そういう時はね、光と影の向きをしっかり捉えて描くんだよ、赤ずきん」
「どうしよう、黒い絵の具が無くなっちゃった」
「どんだけ使ったんだい!?」
(光と影)
赤ずきんちゃんのオマージュ、おばあさんの似顔絵描くのに苦労する赤ずきんちゃんなのでした。
ロバ、犬、猫、ニワトリの4匹はブレーメンを目指し旅を続けていました。
そして、遂にブレーメンまで辿り着いたまでは良かったのですが、、、
「音楽の基礎がなってない」
「リズムが速すぎる」
「大きな音で固まるんじゃない」
「フライドチキンの方が向いてるんじゃないか」
など言われ放題。
そして、ふたたび集まった4匹はまた旅に出るのでした。
(そして、)
ブレーメンの音楽隊のオマージュ、練習不足と特性のせいで上手くいきませんでした。