「夏祭りで流しそうめんをするから竹取名人のあんたが太い竹を切ってくれないか」と言われて明るいうちから竹を切って山を降りてきた。
集落の公民館前で竹をふたつに割った。
とお爺さんの調書には書いてあった。
夏になると、連れられて行ったお爺さんの思い出を思い出す。
真夏の記憶は、消える事は無いだろう。
(真夏の記憶)
竹取の翁のオマージュ、光ってても明るいうちじゃねぇ。
「いいですか、決して覗いてはいけません」
そう言って戸を閉めた後、響き出した機織りの音。
と思ったらすぐ止まる機織りの音。
心配になって言いつけを破って戸を少し開けると…
いつの間に取ってきたのか大量買いしてあるはずのアイスクリームの容器が床に転がり、機織りの椅子に座って新しいアイスクリームの蓋を開けようとしているツルが居ました。
そして1口食べた所で覗かれていることに気付いたツルは、大慌てで飛び去っていきました。
残されたのはこぼれたアイスクリームと、空容器。
機織りは音だけで一切織られていないのでした。
(こぼれたアイスクリーム)
ツルの恩返しのオマージュ、恩返しというか仇返し。
はいはい、どうせ僕達が逃げても襲って食べるんんでしょ?
ほらもうヨダレ垂れてるし。
え?自分は美食家だからすぐには食べないって?
そんな事言って、やさしさなんて要らないから早めにさ食べちゃってよ。
こっちは諦めてるんだし。
何?早く食べられたいなら手伝えって?何をさ。
あー、そういう事ね。
レンガで窯作って藁と木の板で熱してこんがり食べるのね。
はいはい、手伝いますよ。
(やさしさなんて)
三匹の子豚のオマージュ、諦めないでーーー!!
「おい、婆、その死人の髪の毛を抜いてどうするつもりだ?」
羅生門の下で意味分からぬ行動をしている婆に問いかけた。
「この髪でかつらを作って被るのじゃ」
婆はそう返した。死人を敬う事を放棄した到底許されることの無い行為だ。
「かつらを被って風を感じたいんじゃ!!お前の髪もよこせ……いや、無理かの」
頭髪薄くて悪かったな!!
(風を感じて)
羅生門のオマージュ、髪の毛さらさらor頭皮直のどっちが風を感じられるのか?
そうこれは夢じゃない。
現実よ。
見知らぬ世界で、見知らぬ猫に連れられて、見知らぬ場所へ向かっている。
その全てが現実。
その証拠にほらまた、私の身体が変化した。
どんどん変化する身体はいつしか猫のようになっていって…
ハッとして起きる。
寝ていたようだ。
変な夢を見ていた気がする。
伸びをひとつググッとしたらマタタビでも齧って寝ようかしら。
(夢じゃない)
ジ〇リアニメ、猫の恩返しのオマージュ、猫になっちゃった人。