水面から顔を出し、遠くに見える虹を見つけた。
虹は水面に突き刺さっているように見える。
ならはじまりを探して泳いでいけば虹に触れるかもしれない。
水中に潜ってその方向にどんどん泳ぐ。
時々顔を出して虹を確認するが近くなっていない。
もっと早く泳ぐ。
まだ遠い。
そうこうしているうちに虹は消えてしまった。
そして虹の代わりにいくつもの竜巻がそこにあった。
(虹のはじまりを探して)
人魚姫のオマージュ、虹の原理を覚えましょう。
どんぶらこっこどんぶらこっこと流れ着いた大きな桃、ですがここで拾われる事はほぼないでしょう。
雨季明けの砂漠に出来た大きな水溜まり、オアシス。
そのすり鉢状の水溜まりは近付けば蟻地獄のように吸い込まれ助け無しには上がることは叶わず、溜まった水も飲用には適さない質で、まずこのオアシスに寄る者が居ないのです。
なぜここに桃が流れ着いたのかは不明ですが、この桃から始まる物語はあるのでしょうか?
(オアシス)
桃太郎のオマージュ、砂漠のオアシスってよくヤシの木とか生えてるような描写が多いから桃太郎よりヤシ太郎が生まれる可能性も。
竜宮城へ潜る間、時間がかかるという事でウミガメが話題を振ってきた。
「ウミガメが陸に上がった時に涙を流す理由を知っていますか?」
「目の乾燥を防ぐ為じゃ無いのか?」
「確かにその理由もありますけど、ほかの理由もあるんですよ」
「卵を産む時の痛みからとか?」
「やだなぁ、オスでも涙流しますよ?」
「それもそうか、うーん、分からないな」
「涙の理由、それはですね…あくびしたら出ちゃったですよ」
「あくび……あくび…あー、確かに涙出るな」
「でしょう!」
そんな話をしながら涙を流しても涙の跡さえつかないような深海へとどんどん潜って行くのでした。
(涙の跡)
浦島太郎のオマージュ、あくびしすぎて号泣してると勘違いされた民挙手。
『本日半袖を着ている方、料金半額』
そんなのぼりがはためいている建物。
ここは全ての昔話童話、童謡の世界に同じく存在している建物。
その中では半袖を着た昔話童話、童謡に出てくる者達がかき氷やビンラムネを堪能している。
しばらく涼んで休んで英気を養って元の世界へ戻っていくのだ。
(半袖)
全ての昔話童話、童謡の登場人物達もこの暑さに負けないように休憩しよう。
もしも過去へと行けるなら、あの日へ戻りたい。
あの岸壁で箱を開ける前に。
あの箱を開けてはならぬと待ったをかけるのだ。
…いや待てよ?過去の自分に会う事は出来ないのか。
タイムパラドックスが起きてしまう。
なら、先に亀を。
…ダメだ、そうすると自分が竜宮城へ行った事が覆り結局タイムパラドックスが。
どうしようもないのか………
(もしも過去へと行けるなら)
浦島太郎のオマージュ、過去の改変は行えないのです。