夜のうちは寝てはいけない。
野生生物の餌食になってしまう。
日が暮れる前から焚き火を始め、翌朝気温が上がるまで絶やしてはいけない。
寒さによって低体温症になってしまう。
寝ない為に細かい作業をしてはいけない。
集中し過ぎると周りの変化に気付けない。
暖かい昼間に寝るが寝すぎてはいけない。
真昼の夢なのか現か分かっていないと野盗に襲われても対応できない。
そうして今まで生き延びて来たんだ。
(真昼の夢)
西部開拓時代の生きて寝る為の4ヶ条。
「時計の中に隠れて、ほかの兄弟達が食われていく様をこっそり見るしか出来なかったあの頃の自分とは違う!」
「ククク、バカなヤギだな。隠れているのを知っていて腹いっぱいで見逃してやったというのに」
ヤギとオオカミは互いに間合いを取って対峙している。過去の凄惨な事件の生き残りと加害者の最初で最後の闘いになるだろう。
ルールも審判も観客もない二人だけの闘いだ。二人だけの。
(二人だけの。)
7匹の子やぎのオマージュ、数年後復讐の闘い。
夏。この時期になるとぐるぐる渦巻きの蚊取り線香が必須になる。
この島に居る者は刺されやすい体質なのか分からないが何ヶ所も刺されるせいで皮膚は赤くなり、身体を大きく動かしていないと痒さで気が狂いそうになる。
ハッカ油ってのも試したが、あれは自分の身体に合わなかった。塗りたくった端から寒くてどんどん青くなってしまった。ハッカ油の方が痒いより良いって奴らも居るが。
夏の蚊の時期は苦手だ。
(夏)
鬼ヶ島の鬼たちが赤かったり青かったりする理由。
なぜ母カニが悲惨な目にあったのか、真実が知りたくて行った開示請求。
犯人である猿の事情聴取の調書は場所や母カニの名前以外、そのほとんどが黒塗りされていて読む事が出来なかった。
その隠された真実を暴く為に臼、蜂、栗と手を組んで立ち向かう。
真実にたどり着いた先に待ち受ける衝撃に備えろ。
(隠された真実)
サルカニ合戦のオマージュ、【サルカニ合戦/劇場版】coming soon。
チリンチリンと風鈴の音がする部屋、なんというか、ひとりだと寂しさもあるような気がする。
誰でもいいから一緒に風鈴の音を楽しめる相手が欲しい。
…連れてくるか。
まずは子ヤギ達の所へ行ったが留守の様だ。
次に子ブタ達に所へ行ったがこちらも留守の様だ。
後は頭巾のおばあさん位しか声をかけれる人は知らない。
頭巾のおばあさんは、「私はあまり動けないから風鈴を持っておいで」と言った。
嬉しくなって急いで風鈴を取りに戻る。
(風鈴の音)
ちょっと寂しがり屋のオオカミさん、風鈴割らないように気を付けて。