いつぞやの灰を撒いて花が咲くようになった桜の木はもともと枯れ木で、いつもの散歩道の目印だった。
もう花は散り終えて葉桜になった木の下をゆっくり散歩する。
犬の白と君と歩いた道、いつもの散歩道。
1人で歩くのは寂しいものだ。
婆さんや、早く温泉旅行から帰ってきておくれ。
(君と歩いた道)
花咲かじいさんのオマージュ、今日は泊まりですよと言われているけど寂しい爺さんの様子。
機織り機をギーバッタンギーバッタンと動かしてどんどん着物の布を織っていく。
仕事は仕事なのだ。
結婚して夫婦になったといって仕事を怠けてはいけない。
夢見る少女のように甘えてばかりではいけない。
夫も牛飼いとしての仕事をしっかりこなしている。
父である天帝も2人の仕事ぶりに感心しているようだった。
(夢見る少女のように)
彦星と織姫のオマージュ、怠けず働いて引き離されなかったバージョン
「宇宙の果てまでさあ行こう」
ん?なんか違う?
「さあ行くぜ、じゃないっけ?」
「さあ行くべ、だわさ」
「さあ行きゃあ、だってば」
「さあ行かざあ、だに」
うん、みんな絶対違うってわかって言ってるよね?
(さあ行こう)
トイストーリーの台詞ど忘れからの悪ノリ大会の様子。
空が恋しい。
海の底でしばらく過ごしていて思った事だ。
乙姫様も、たまに遊びに来る人魚姫様から空がどれだけ大きいかを聞いて「一度は見たいわ」と言っていたな。
乙姫様に提案する。
「一度地上に戻りたい。空が見たいんだ。乙姫様も気になっていたでしょう?一緒に行きませんか?」
乙姫様は少し戸惑い、それでも興味に負けたのか地上へ上がってみる決心をしたようだった。
ただ、乙姫様は竜宮城から出る事が出来ないらしく、荒業ですがと竜宮城ごと浮上するようだ。
海上へ浮かんだ竜宮城から空を見上げる。
あぁ、風を感じる。
乙姫様も初めて感じる空気と空の広さに驚いているようだった。
「この空を持ち帰りたいわ」と乙姫様がなにか呪文のようなものを呟くと、竜宮城の庭園部に出来ていた水たまりに映る空がそのまま固定されたように止まった。
竜宮城はまた海底に戻ったが、その水たまりに映る空はそのまま空を映し出しているのだった。
(水たまりに映る空)
浦島太郎のオマージュ、海底でも空を見れる水たまりは魚達にも人気スポットになったようです。
せっかく舞踏会へ参加して王子様に接近できたのに、後から現れた女に王子様を奪われた。
シンデレラと言ったかしら。
私の方が先に王子様に恋していたのに、私の方がもっと愛せたのに。
今はもう憎くて仕方がない。
憎悪をますこの胸の根幹は恋か、愛か、それとも殺意か。
全部だ。
恋焦がれ愛故に抱いた殺意による憎悪は、この者が魔女になるには申し分ないのだった。
(恋か、愛か、それとも)
シンデレラのオマージュ、いずれこの魔女になる女性が他作品に影響しなければいいけど。