せっかく舞踏会へ参加して王子様に接近できたのに、後から現れた女に王子様を奪われた。
シンデレラと言ったかしら。
私の方が先に王子様に恋していたのに、私の方がもっと愛せたのに。
今はもう憎くて仕方がない。
憎悪をますこの胸の根幹は恋か、愛か、それとも殺意か。
全部だ。
恋焦がれ愛故に抱いた殺意による憎悪は、この者が魔女になるには申し分ないのだった。
(恋か、愛か、それとも)
シンデレラのオマージュ、いずれこの魔女になる女性が他作品に影響しなければいいけど。
「貸していた物を返してちょうだい」
と朝早くから訪ねてきた友人。
ちょっと待ってて、持ってくるからと1度ドアを閉めて部屋へ戻る。
どうしよう、借りていた物は今床に倒れて動かないでいる。
外から早く!と急かす声がしている。
ドアを開けて借りていた物を友人に渡しながら、
「ごめん、カーペットに引っかかって倒れちゃったの。壊れてはいないと思うけど」
「もし壊れていたら修理代全額ね。約束だよ」
「それはもちろん」
友人は操作盤を少し弄る。
ピピッと軽い電子音がして画面がついた。
「起動したにゃー、、、充電が切れそうだにゃー、、、」
「大丈夫よ壊れてないわ」
と友人は軽く笑い、それと一緒に帰って行った。
(約束だよ)
猫型配膳ロボットって370万位で買えるらしい。一般家庭で使えるかどうかは知らない。
僕の傘は特別な傘なんだ。
と、特に変哲ない傘を見せてくる隣の家の子。
その隣の家は昔からそこに建っている大地主の家で、立派な蔵がいくつもある。
見てて見ててと傘を持った子がバサッと広げる。
傘の中には……足?
そう、それは唐傘おばけと呼ばれる類のモノだった。
その傘を持った子は、凄いでしょ!!と目を輝かせている。
返答に困った挙句、返した言葉は、
「傘立てに入れる時は、逆さまにしないであげてね」
だった。
(傘の中の秘密)
唐傘おばけって片足のイメージだけど、右足左足どっちなんだろ?
仲間のアリに、
「雨上がりはよく滑るから気をつけて」
と言われていたのに。
枝の上を歩いていて足を滑らせ、ちょうど下にぶら下がっていたドングリの上に落ちた。
帽子にしがみついてそのまま落ちる事は無かったけれど、ドングリごと地面に落ちた。
地面に落ちた衝撃で帽子から振り落とされ地面に転がって、ただ、地面も雨上がりで柔らかくなっていて怪我する事は無かった。
ドングリはコロコロと池に向かって転がって行ってしまった。しばらくしてポチャンと音が聞こえた。
(雨上がり)
童謡ドングリころころのオマージュ、ドングリが落ちた理由。
猿が木の上から柿を投げて来たが、自慢の甲羅で弾き返す。
驚いたような表情の猿をしり目に、木の幹に爪を立てる。
猿はどうせ登って来れないだろうとタカをくくっているが、ゆっくり登り出した姿を見てまた驚いたような表情をしている。
「やい!カニの分際でなんで木に登れるんだ!!」
と猿が聞いてくるが、猿は勘違いしている。
「僕たちヤシガニは木に登れるし、そもそもヤドカリの仲間でカニじゃない」
そう答えながら、柿をひとつもぎ取る。
誤解が解けた猿とヤシガニは勝ち負けなんて関係無く並んで柿を食べるのでした。
(勝ち負けなんて)
サルカニ合戦のオマージュ、ヤシガニはヤドを背負わないタイプのヤドカリらしいけどヤドカリと言っていいのだろうか?