住まう者が居なくなった島。
過去には大勢が住んで色々な舟が行き交い色々な物資が運ばれ、生活が豊かに息づいていた。
そんな島にも闇は入り込んでくる。
力を持った者が統治を初め、いつしか島民はその者の下につくか島を去るかを選びどんどん島が荒れて行った。
その島に残った者たちの力は更に増していき、鬼が住まう島と忌み嫌われ、やがてその力を滅ぼそうと鬼退治だと乗り込んで来た1人の侍とその配下に島民たちは惨殺された。
そしてその島は無人島となり自然が力を取り戻していった。
暖かな気候と共にこの島の自然も芽吹きのときを迎えようとしている。
(芽吹きのとき)
桃太郎のオマージュ、鬼退治後の島の自然回復のようす。
あの日点けたマッチの温もりは忘れられない。
マッチの火と共に倒れた私を助けてくれたあの人の温もりも忘れない。
あの人と食べた美味しい温かい料理の味も忘れない。
忘れた事も無い。
そう言っておばあちゃんは息を引き取った。
温もり感じる葬儀を終えて家に帰る。
おばあちゃんがいつもおかえりと迎えてくれた温もりはもう無い。
おばあちゃんが大切にしていたマッチ箱を戸棚から出して1本だけ火を点ける。
おばあちゃんの遺言通りの行動だ。
マッチに揺れる火の中におばあちゃんが見えた気がした。
(あの日の温もり)
マッチ売りの少女のオマージュ、物悲しい雰囲気。
「鏡よ鏡、世界で1番美しいのは誰?」
『それは猫です』
「…ね?質問を変えるわ。世界で1番可愛いのは誰?」
『それは猫です』
「………」
『1番美しくて可愛くてcuteで尊く気まぐれな猫です』
「………」
『1番醜いのは、自分が1番だと思っているあなたです』
「………もういいわ、この鏡は処分してちょうだい」
『あっ…』
(cute!)
白雪姫のオマージュ、ただの猫好き鏡だったようです。猫はキュートなのです。
各世界の記録をノートにメモしていく。
世界が正常かどうかを過去の記録と照らし合わせながら確認する。
おっと、ここは異常が発生しているじゃないか。
川を流れる光る竹を拾い上げ桃を流す。
こっちも異常だ。
オオカミをレンガの家から出して三男を入れる。
こっちはちゃんと海亀が砂浜にいるから問題ない。
日々の記録が今後の世界を正常化させる。
明日もまたこのノートに記録をメモしていこう。
(記録)
童話世界の記録はこうして守られているのだろう。
お弁当箱におにぎりを入れる。
おかず側は、根菜類の煮物と、ふき味噌と、生姜の佃煮を詰める。
もう一個のお弁当箱にもおにぎりを入れる。
こちらは、卵焼きと、タコさんウインナーと、ほうれん草のおひたしと、プチトマトを詰める。
これくらいのお弁当ならすぐにできるもんだと、カバンにしまって公園へ向けてさぁ冒険だと手を繋いで歩き出す。
おっと、水筒の準備を忘れていた。
(さぁ冒険だ)
童謡「これくらいのお弁当箱に」のオマージュ、外で食べる弁当に特別感あった子供の頃。