各世界の記録をノートにメモしていく。
世界が正常かどうかを過去の記録と照らし合わせながら確認する。
おっと、ここは異常が発生しているじゃないか。
川を流れる光る竹を拾い上げ桃を流す。
こっちも異常だ。
オオカミをレンガの家から出して三男を入れる。
こっちはちゃんと海亀が砂浜にいるから問題ない。
日々の記録が今後の世界を正常化させる。
明日もまたこのノートに記録をメモしていこう。
(記録)
童話世界の記録はこうして守られているのだろう。
お弁当箱におにぎりを入れる。
おかず側は、根菜類の煮物と、ふき味噌と、生姜の佃煮を詰める。
もう一個のお弁当箱にもおにぎりを入れる。
こちらは、卵焼きと、タコさんウインナーと、ほうれん草のおひたしと、プチトマトを詰める。
これくらいのお弁当ならすぐにできるもんだと、カバンにしまって公園へ向けてさぁ冒険だと手を繋いで歩き出す。
おっと、水筒の準備を忘れていた。
(さぁ冒険だ)
童謡「これくらいのお弁当箱に」のオマージュ、外で食べる弁当に特別感あった子供の頃。
広い草原に一輪だけ咲く花。
その中に私は居る。
親指程度の背丈しか無いからこそ出来る芸当である。
少し顔を出し、まだ少し冷たい風を受ける。
「暇だなぁ、でも居心地良いここからは出たくないなぁ」
そう言ってまた花の中に潜り込む。
不思議な力でもあるのかこの花が枯れる事も無く、お腹が空く事も病気になる事も無い身体でかれこれ十数年程引きこもり生活を満喫しているのであった。
(一輪の花)
おやゆび姫のオマージュ、花の中で寝てみたいってのは夢だなぁ。
「いいかい?この魔法はあまり広範囲への効果は無いからね、タイミングを見てここだって時に使うんだよ」
そう言って、魔法の込められた指輪を右手にはめた。
これから舞踏会に行く。
そして王子様と踊りその後逃げ出す奴を捕える為の魔法。
そこで捕まえて逃がさず正体を暴くのだ。
会場で奴が現れるのを待つ。
王子様が自ら踊りに誘う奴が現れたらそいつがターゲットだ。
だが、待てど暮らせどターゲットが現れることはなく舞踏会は幕を下ろした。
(魔法)
シンデレラのオマージュ、悪い魔女と良い魔女の行動の読み合いが裏にあったもよう。
「あっちの色がたくさん分かれてる方は雨が降っているから行っちゃいけないよ」
って教えてくれた兄弟。
「あれは虹って言って、太陽の光が云々…」
って教えてくれた兄弟。
「虹は半円だと思われてるけど、上空から見ることが出来れば円い形なんだよ」
って教えてくれた兄弟。
それから月日が経って、僕はハクチョウに、兄弟達はアヒルになったけど虹は虹のままだねって言ったら
「「「虹も僕達も変わらないさ」」」
って兄弟達は口を揃えて言った。
(君と見た虹)
みにくいアヒルの子のオマージュ、種族違ったけど仲良く育ったパターン。