衣替えの時期とは言うが、急激に寒くなったり、また暑くなったりで服選びに時間がかかる。
仕事で着る作業着も長袖の人が少しずつ増えてきているが、自分はまだ半袖のままだ。作業で動いていれば汗だくになるし袖が邪魔だからなのだが、そうわ言っていられない寒さがそのうちやってくる。
雪が降ったら衣替えをする合図だ。
(衣替え)
スタートと同時に後ろから声援が飛んでくる。
「ベンガベンガベンガベンガベンガ!!」
うるさい声援から少しでも遠ざかるように足に力を込めて走る。
「ベンガ」とはスペイン語で「早く」等を意味する言葉だ。
今の状況だと「行けっ!」っていう意味の声援になる。
後ろで声援を飛ばしながら着いてくる監督は、声が枯れるまで「ベンガ」と叫び続けるつもりだろう。
走っているこちらとしてはかなりうるさい。
思わず声が枯れる勢いでうるせえー!と叫び返す。
「ベンガ」の声援はいっそううるさくなった。
(声が枯れるまで)
とあるアニメ映画へのリスペクト。
その日の魔女は特に忙しかった。
この魔女は新しい道具を創るのに長けているから、他の魔女からあの道具を創ってくれ、こんな道具が欲しいと依頼を受ける事が多いのだ。
今日は、「野外に置いても衛生面に影響しないお菓子」と「華麗なドレスになる魔法を込めた杖」と「昏睡状態になる程度の毒リンゴ」と「天まで届く枝豆の種」を造らないといけないのだ。
今まで創った魔法道具のレシピメモをいくつも引っ張り出して転用できそうな魔法が無いか探していく。
新しい魔法道具のレシピを書いたら作業開始だ。
道具創りの始まりはいつも魔法の大釜に火を点ける事から始まる。
(始まりはいつも)
魔女の出てくる童話が多いから、魔法店みたいなのもあるかな?と思い立った。
鬼退治の為に都に向かって、お椀の舟でゆっくりと川を下っていく。このまま順調に流れて行けば3日程度で都に着けるだろう。しかし、腹が減った。
すると川岸に大きな桃が引っかかっているのを見つけ、急いで舵を桃に向けた。
もう少しで手が届きそうな時に、引っかかりが取れたのか桃が流れだした。
どんぶらこどんぶらこと流れていく桃を追いかけて行くが、桃は先に居たおばあさんが拾い上げてしまった。
お椀の舟はそのまま川の流れに流され桃から遠ざかって行く。
あぁ、腹が減った。
(すれ違い)
一寸法師の世界と桃太郎の世界が同じだった場合。
秋晴れの朝に思い立って、おにぎりを持って景色のいい丘へ出かけてきた。
頂上よりちょっとだけ下がったところに見晴台と東屋がある。
東屋には先客が3人居りお弁当を広げているので、見晴台に登って上でおにぎりを食べる事にする。
見晴台は地上から10M程の高さがあるが、しっかりとした作りと手すりのおかげで全く怖くない。
秋晴れということもあって風も穏やかで心地良いくらいだ。
カバンからおにぎりを2つ取り出して包みを開けていく。どっちから食べようかなと思った時不意に手が滑って1つ落としてしまった。
おにぎりは転がり手すりの隙間からスッと下に落ちていった。
慌てて見晴台から駆け下りる。
おにぎりは地面に潰れ、どこから来たか1匹のネズミが既に食べ始めていた。
普段ならネズミを追い払うだろうが、秋晴れの空に免じてそのまま食わせておく。
1つになったおにぎりは普段より美味しく感じた。
(秋晴れ)
おにぎりころりんのオマージュ、特にお返しは無い場合