【失われた響き】

あなたは『神』を信じますか？

そうですよね？
信じませんよね？

それならば
あなたは『愛』を信じますか？

そうですよね？
信じられませんよね？

では、『願い』はありますか？

『あります』よね？

大丈夫です。
その願いへの思いが強ければ強いほど
あなたはより『理想』へと導かれます。

ではもう1度、

あなたは『神』を信じますか？

信じますね。

あなたは『愛』を信じますか？

信じますね。

そうです。
念じるのです。

念じて、願って、想って
『呪い』にするのです。

一緒に『理想』を叶えましょう。

最後に、
私と『契約』しませんか？

あなたを『楽園』へ
何度も連れて行ってあげましょう。

大丈夫です。
あなたは『愛の神』の生まれ変わりの方の
『捧げ物』となるだけです。

あなたがいるだけでも
『神』は喜こんでいます。

さあ、今こそ生まれたばかりのような
『天使』の姿をして、その身を捧げるのです。

さあ、捧げるのです。
さあ、その『体』を 『精気』を

【心の深呼吸】

何故なんだ？
もう本当によくわからない。

オレと仲良くなった人が
ほとんど転職や転校したり辞めたりする。

問題は『環境』ではなく、
『その場所のシステム』なのか？

オレと一緒に居て仕事ができるようになったり、
周りから期待されるようになったというのに
何故か「体がついていけない」「金が足りない」という理由で辞めていったりしてしまう。

これはなんだ？
仕事の問題か？
環境の問題か？
体の問題か？
心の問題か？
周りの問題か？
オレの問題か？

…本当にどうすれば良かったんだろうか？
次々とオレの『お気に入り』が辞めていく。
引き止めても慰めても励ましても行ってしまう。

オレが居るというのに…何故だ

【時を繋ぐ糸】
(※LINEでの会話の引用なので読みずらいです。)

「一昨日、告白メール送ったからもう大丈夫
返事来てないし、我が生涯に一片の悔い無しって感じ」
「どうして君は送る前に
オレに構文チェックをさせないのだ？」
「別にそこまで構わないでよ
大体しつこいんだよ…批判ばっかりして」
「あくまでオレの意見と言ってるじゃないか
しかも一昨日かよ。
まあ…よくメール送ったね
悔いがないなら良いよ。
それで、これからどうするの？」
「彼氏と一緒にいる事を選ぶよ。
キスしてくれない理由ちゃんと聞いてきたよ
ただのウブ過ぎだった。」
「…本当によくわからない
あの人を騙したのか？
彼氏さん、知らないだろその話。
本当に彼氏さんとこのまま付き合っていくのなら
このことはなしなよ。
彼氏さんにも悪いよ。
嘘ついてたってことなんだからさ。」
「告白する前はもどかしさ感じたけど、
告白したらもう終わりじゃん。
引きずってる事になるじゃん。」
「はぁ…何も分かってないな。
君の愛ってそんなもんなのか？」
「もういいよ 言わなくて。」
「勝手にゴール決めない方が良いよ。
こっちはゴールでも終わってないかもしれないよ。」
「あの人への愛が1番だった。
けどそれが消えたから2番目に移行しただけ。」
「彼氏さんが2番目で可哀想だよ。」
「消えたんだよ？分かる？
あたしとあなたは考えが違うんだよ。
あたしはあの人にNOとかYESとか
ハッキリした気持ちを伝えてくれれば落ち着くんだよ
白黒思考みたいなもんだけど。」
「オレは消えないね。
忘れようとしたけどダメだったよ。
別の男と女を作っても結婚しても忘れられないなんて
オレも狂ってるよな。」
「あたしは将来、彼氏と結婚しても、
あの人の事は『師』としての尊敬だね。
これは消えない。
学生時代に人生にまつわる話、沢山してくれたし」
「…とりあえずおめでとう。
君はさらにオレを燃やしてくれたよ。楽しみだ。
あ、あと彼氏さんとのキスは
一瞬だけのチュッにしなね。」
「わかってるよ」
「この間のタロット占いの結果が
悪い影響にならないことを願うよ。
あと、この君と彼氏さんの会話の雰囲気からすると
君達ヤルよ。
キスの勢いで…ってな。
『予行練習』、大丈夫か？
今度は君の言う『火遊び』じゃ済まなくなるぞ。
オレ達のを思い返してみろよ？
キスしたらそれ以上に『発展』しちまっただろ。
良い例だw」
「どう賭ける？」
「『2人きりの部屋でキス』ってまさに『ソレ』だろ。
…もし彼氏さんと会う前に
オレと『予行練習』しておきたかったら
年末頃に会おうぜ。真面目に『性教育』してやる。
そろそろだと思っていたが、勘が当たったな。」

あー…
やっぱりムカつくなー。
君には『彼氏さんと幸せに』なんてやっぱり無理だよ。
この際、もう処女を奪っておこうかな。

『最低』？
『一途』って言ってよ。
好きな女が奪われることを黙って見てろと言うわけ？
そんなのできないよ。
愛で呪いこ🔪してやる。

【落ち葉の道】

全く、彼氏持ちのステータスが無くなるからって
彼氏さんに別れを告げられないなんて
本当に自分勝手だよね。

もうとっくに熱は冷めて別の男に気が向いてるのにさ。

んで？
あの人に振られたら
彼氏さんと一緒になって幸せなるって？
君は本当に何も知らない愚かな子だよね。

全部オレが結局教えてあげなきゃいけないの？

人生も、恋愛も、仕事も、金も、生活も
全部オレに教えてもらわないと何も出来ないのかな？

君のできることってなんだっけ？
タロット占い？勉強？
…あと何？
オレにオネダリすることだけか？

それのどこが『賢い』の？

テストの点数はいつもハイレベルなのは
学んだ事の復習問題だから当然だよな。

オレにずっとすがってる君を見てるとさ
もっとおかしくさせたくなるんだよね。

その性格をねじ曲げて
本当の『変態』にしてあげたくなるんだよな。

君はオレの子供じゃないんだよ？
オレも君の親じゃないし、教師でもない。
いい加減自分で考えるということをしてくれないかな？

ねえ、そんなにオレのこと好きなの？
そんなにオレに壊されたいの？
自分では「嫌」と言ってるくせに
やっぱり離れられないじゃないか。

あー…そっか
もうそういう体になってしまったのか。
もう君はオレに壊されていたか。
それなら後戻りはできないよね。

それに彼氏さんにもあの人も『その程度の愛』ならば
一生幸せにはなれないよな。

君は『神の声』に背いたんだよ？
あんなに「やめとけ」と言ったのに。

神はいつもオレの味方をしてくれる。
それに背いたという事は堕ちたということだよ。

君はもっと壊されるんだよ。
精神も体も心も脳も人生も
全部ね。

【君が隠した鍵】

今日も鏡の前で自分の姿を見る。

筋肉、血管、髪、筋、骨格…
瞳、唇、首、胸、腹、背中、腰…

『ずっと完璧な自分』。

妖艶な体、ミステリアスな瞳、
吸い込まれそうな死んだ目、
揺らめく長い黒髪、

全部オレの1部。

この顔が嫌い。
この顔が好き。

母の目、母の言葉、母の体、

可愛くて、美しくて、憎らしい
オレの顔は 今日も何も知らなさそうにしてる。

全部母から受け継いだものだ。
オレは父を知らない。どこが似てたかも知らない。
父のような人はいたけど
全員オレの愛人になった。

母よりオレが可愛いから？綺麗だから？
本当にバカばかり。

オレが初めて誘ったのは13歳の頃。
所詮『男』だった。

『母の彼氏』だからなに？
知らないよ。
彼はオレと寝たんだよ。
実の息子のこのオレに取られていい気味。

彼、言ってたでしょ？
「あのこには参った」って。
彼はオレの誘惑に負けたんだよ。

このオレの美貌は全部 母のせいだよ。
全部母の完成品(体)が犯した。
恨むなら母を恨めば良い。

それにしても都合いいよね。
オレが「彼が手を出した」と言えば彼は捕まるんだもの
全部オレの美貌のせいだよ。

狂った親からは
狂った子が生まれるんだよ
わかっているだろ？

傷も障害も何も無い
この美しく完璧なオレを作り出してくれた。
ピアノもバレエも歌も
全部オレの完璧を作り上げるためにさせてたんだろ？
それもこれも全部母のせいだよ。

だからオレはこの体と顔で金を得たんだよ。
存在しているだけで間抜けな男が紐を緩めて
オレに金をくれたんだよ。
その時は正直この受け継いだ体に
傷をつけているようで嬉しかったよ。
売春はオレにとっては自傷行為だった。

自分の気持ちに蓋をして生きてきたんだよ。
自分の恋心も自分の夢も全部封じ込められて。

オレはこれからも自分の顔と体を恨んで
生きていくんだ。

母さん、ありがとな。
こんなオレを作り上げてくれて。

これからもこの呪われた体で生きていくよ。