【8月、君に会いたい】

この夏、欲情してしまうオレを誰か止めてくれ。

その夏は蒸し暑く、
肌全体に汗がつたい、オレ達を濡らす。
オレの中で波が登ってくる。


ああ…
たまらなく 熱い。

日焼け？
いや、
あの子の心に酷いやけどをさせたい。

【熱い鼓動】

体だけの存在に情が芽生えてしまうのは
普通なのだろうか。

「誰でもよかった」「あなただけだから」
それだけの気持ちで歩み寄って良かったのだろうか。

『好奇心』と『欲望』が高ぶりはじめて
入り交じり続いたこの関係がいつまで続くのかは
誰も知らない。

『現実』も『環境』も全ての目をつぶり
現実逃避をするだけの行為だけで
何が芽生えるというのだろうか。

それは『愛』か『友情』かはたまた『欲情』か。

【オアシス】
(※性的表現有り🔞)

「25000円で良い」
「え？
お金なんて冗談だし、
君だってオレの『愛人』になるのは嫌だろ？」
「嫌じゃない
キス以外ならあたしを全裸でもコスプレでも
何してもいいから」
「そんな…」

初元カノは即決で決まった。

「あたし、あなたの『愛人』になる。
何してもいいから あなたにあたしの処女もあげるから
あたしを買って 抱いて…?」

オレの心はゾクゾクと胸騒ぎがした。

「なるべく優しくする…」

オレは本当に「優しく」できるだろうか
本当は初元カノをむさぼる程激しく抱きたい。
しかし傷はつけたくない。
どうするものか…。

あの子の体内にある
熱くて密の溢れた『オアシス』に
本当に入っても良いのだろうか…。

【True Love】

『普通の愛』なんて知らない。

あの子とは体を重ねて始まった恋だ。

10年以上経った今でも
誰にも言えない関係が続いている。

オレは罪悪感と葛藤しつつ
「抱いて」とねだるその欲望に抗えられない。

体だけではなく心まで求めていたと気づいた時は
あの子に負けた気がした。

それでも許されるのはほんの火遊びだけ。

前は素直になれなかったが
今はめちゃくちゃにあの子を壊したくて仕方がない。

全部奪ってオレだけのモノにしたい。
全部 全部 全部…。

オレの中で渦巻く欲望がいつ暴走するか恐ろしい。

【二人だけの。】

「買って 私を」

初元カノからの久々のメッセージだ。

初元カノから離れて
もう前のようにはいかないと思っていたのに。

動揺してしまう。

初元カノはオレに売春をする。

それは金のためか
それとも体のためか

まさかそこまで落ちてしまったか
考えたくない。

「私をお金で買ってよ
金のためならあなたにこの体を売るわ
私の体 好きにしていいから」
「オレはその為に君を抱いてきたんじゃないよ。
そういうカタチでは抱きたくない。」

しかし「好きにしてもいい」という言葉が引っかかり
無茶を言ってみた。

「…どうしてもというなら
君の『処女』をオレに買わせろ。
無理ならダメだ。やめろ。」
「いいよ あげる。
どのみち誰でもいいと思ったから」

違う。そんな君は『君』じゃない。

ああ どうして…

どうしてこの子は
こんなに汚れてしまったのか…。