ゆう

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12/9/2024, 12:14:24 PM

「手を繋いで」と老人ホームから帰る時に祖母は必ずそう言って両手をだした


ぎゅっと握る、その細く血管の浮き出た働き者だった手は、私より小さいのに力強く温かかった


「また来るね」


そう言って握り返しても、祖母は離さない


何度も確かめるようにぎゅうぎゅう私の手を握り繋いだら
祖母は手を離して寂しそうな目をした


何度も手を振った


もう、その両手はこの世界にはない


でも、私はあの両手の温かかさと力強さを忘れた日はない


言葉よりも強い愛だったから


忘れることなど、逃げることなど、切なくなるなど


出来ないのだ


裏切れない両手の約束なのだ


12/7/2024, 10:04:57 AM

部屋の片すみで、両親の怒鳴り合いに怯えてた


子供の私は、それくらいの力で自分を守るしかなかった


大人の私は、外に出る力をもったけれど


年老いた両親は今でも怒鳴りあう家


私は今でも子供の時の部屋の片すみで怯えてた自分と変わらない


いつになったら、私は部屋の片すみから立ち上がれるのだろうか

12/5/2024, 8:03:01 PM

眠れないほど、あてのない未来が怖い


眠れない、自分の将来が怖い


寒い夜空にオリオン座はあんなに光っているのに


地球にいる私も未来も真っ暗だ


眠れないほど独りでいる夜

12/4/2024, 1:17:24 PM

子供の頃は叶えられると思ってた全部の夢


花屋さん、お嫁さん、お母さん、漫画家、たくさんの夢


自分よりずっと大きな大人があたりまえに叶えてる


自分も大人になったら叶えられると信じてた


大人になっていくと


ブレーカーが落ちたように1つずつ消えて暗くなる


現実


一緒に1つずつの夢も消えていく


気がつけば何一つ残らなかった夢


あの頃あこがれていた大人のように


子供達から私はどんな大人にみえているのだろうか


12/3/2024, 10:35:46 AM

さよならは言わないで欲しい


そんな事を瞳で訴える末期癌の叔父


江戸時代の言葉でさよならは


「左様なら」さようならば、これでお別れを意味する


いやだよ


私はまだまだ叔父さんにたくさんの用があるんだよ


いかないで


そんな言葉を飲み込んだまま2ヶ月後には


叔父は亡くなった


私は大人なのに葬式で1番泣いた


私は今でも叔父にさよならを言えていない



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