【柔らかい雨】#77
柔らかい雨は好きだった。
この頃は見かけなくなったが、
私が静かに流す涙を見つけては
共存してくれていた。
でも、柔らかい風を好きになった。
風は私に涙を流させないように、
止めてくれた。
無理をさせようとか、我慢させようとか
そういうような類の気を感じさせない。
そんな柔らかさがある風が今は好きだ。
だが、柔らかな雨よ。
私は雨のことが嫌いになったわけでない。
今は、風の方が気が合う。
それだけのことなんだ。
【一筋の光】#76
夏祭りの100本くじのようね。
何本も紐がだらんと垂れているところから
一つ当たりだと思うものを直感で選ぶ。
ただ、紙のくじより当たりやすい気がして
よく近所のお祭りで出ているのを見かけては
500円玉を握りしめて數回引いた。
99本はハズレのはずなのに、
毎回、心がくすぐられてもう一回…と続く。
大人になって思うことがあるの。
大袈裟な様に聞こえるかもしれないけど、
私にとってそれは
「生きる意味」とか「人生」って
言うような感じの良い例えだと思うわ。
だから、今これを読んでくれている貴方が
周りの環境、置かされている状況に
不満や苦しみ等を少しでも持っているのなら
思い出して。
子供の頃はお金と引き換えに娯楽を得た。
それを大人に置き換えみる。
苦しさや辛さから生まれた努力と引き換えに
充実した人生を得ることができるはず
ってこと。
もう無理よ、とはなる。でもそれはそうよ。
だって、
心とお金では全く天秤が釣り合ってない。
でも安心して。大丈夫。
誰の人生にも、
一筋の当たりは必ず入っているわ。
いつか、引いて見せましょう。
ゆっくりでいいの。大丈夫、大丈夫。
急いで引いたくじなんて
ちっとも面白くないんだもの。
【眠りにつく前に】#75
キミが眠りにつく前から夢の中に入り込んで
ぎゅっと抱きしめたい。
たとえキミが僕を忘れようと
僕のことを思い出すまでずっと抱きしめる。
だけれど最近わからなくなるんだ。
誰の夢に入っているんだろう。
ここは何なんだろう。
俺にとって、キミはどんな存在なんだ?
俺は何なんだろう。
何かが変わっている気がするんだ。
キミが早く思い出してさえいれば。
【永遠に】#75
貴方の笑顔を永遠に、とっておきたい。
とっておくことが出来ないのならば
私は貴方を食べて、記憶に残しておきたい。
それが消化されようが、記憶は残る。
そうでしょう?
それくらい、貴方の笑顔は尊いもの。
たまにする、人を見下すような目以外は
食べてしまいたい。
私は貴方だけに見つめてもらいたい。
だから、貴方も私だけのモノ。
【どこまでも続く青い空】#74
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