〟一年後〟
依存体質の私。
貴方から別れを迫られている。
"貴方に依存しているの。簡単に別れられないわ。"
嫌な顔をしたの、バレバレ。
貴方が言った。
"一年後まだ僕に依存してくれてたら結婚しよう。"
─よかった。これで貴方との交際を続けられる。─
"明日で一年だよ。まだ貴方に依存してる。"
電話越しに伝えた言葉。
貴方を愛してる。
愛してる。愛してる。
どうしていなくなってしまったの。
そう。彼は不注意による事故で最近亡くなった。
私は繋がってもいない電話に言っていた。
00:00 今日で一年だよ。
_依存。それは貴方を愛した証拠。_
〟初恋の日〟
私の初恋は貴方ではない。
初恋なんて、
程遠い、ろくに覚えもしない、同い年の異性だっただろう。
"貴方が初恋の相手ならよかった。"
独りでそう呟いた私は、不意に思いついてしまった。
「貴方は私の初恋の人であるべきだ。」と。
今日は3/18。
明日、私は貴方を初恋の人にする。
19日になるまであと6時間程度ある。
私は本当の初恋の相手に会いに行く。
─そしてその人を殺す。─
思ったほど時間もかからなかった。
近場で時間を潰し3/18 pm11:59。
貴方の居る家へ帰った。
貴方を見つけるなり
"愛してる。私の初恋の人は貴方。"
そう言った。
私が人生で初めて恋をした人間はこの世にいない。
私は、"初恋をした"その真実を消した。
間違っていないでしょう?
貴方が私の初恋の人よ。
3/19 私達の初恋記念日。
_初恋の日は何度合ったっていい。_
〟明日世界が終わるなら〟
"今から帰るね。"
その連絡を見た瞬間に
━突然の耳鳴り。━
異常な程の耳鳴りにその場に座り込む私。
酷い耳鳴りだ。
ピーッと響く耳鳴りの奥深くに何か他のものが聞こえる。
確かに聞き取った〝破滅〝の言葉。
気味が悪い。疲れすぎのようだ。
Pm.11:48
"遅くなった。待っててくれてありがとう。"
貴方が帰ってきた。
時刻を見れば11:49。
"もうすぐ日付が変わってしまうよ。"
なんて呟きながら口付けを交わした。
間もなくして00:00。
酷く揺れた私達の体。
酷い地響き。
状況が理解できない。何が起こっているのか。
誰も想像なんてしていなかった。
世界が この世が 破滅した。
貴方も私ももういない。
破滅の言葉を耳にした時。
あの時に
"明日世界が終わってしまう。"
そう気づいていればよかった。
愛する貴方が他の何者でもない"世界"に殺された。
許せない。私は世界を許さない。
"貴方と一緒に死ねたのなら幸せ。"
そんな綺麗事、私には言えない。思えない。
_明日世界が終わるなら私の手で貴方を。
そして貴方の走馬灯に私を。_
〟君と出逢って〟
"恋は盲目"
この言葉は私にぴったり。
貴方と付き合って、今。
言葉通り私は貴方しか眼中にいなかった。
"すき" "愛してる"
貴方のためなら命を捨てよう。
あぁ、盲目になってしまうのか。
"盲目" ね。
盲目になってしまうほどの愛。
"中毒"
私ならそう名付けただろうな。
_私は君と出逢って中毒と名付けた。_
〟耳を澄ますと〟
貴方は今何をしているのかな。
いつもの"愛してる"なんかよりも
"愛してた"
なんて送ったらどんな反応するのかな。
慌てるだろう。理由を聞くだろう。
別れを切り出されることもあるだろう。
そんなことよりも
"貴方のその表情"を見てみたい。
最低だね。
それでしか貴方からの愛の確かめ方を知らない。
耳を澄ますと聴こえてきたのは
貴方への気持ちが鼓動として聴こえていた。
_愛してる。_