【秋風】
秋の夕暮れ、オフィスを出た僕はひんやりとした風に肩をすくめながら駅へ向かう。
向かいからかけてくる子どもたちの笑い声に、ふと子どもの頃の記憶がよみがえった。
落ち葉が舞う小道で、友人たちとバカ笑いしながら転げ回った日々。
風に乗って、かすかにその頃の笑い声と葉のざわめきが耳に届いたような気がした。
懐かしい思い出に心がじんと暖かくなった。
あの頃は何もかもが新鮮で、毎日が冒険だった。
今、忙しい日々の中で忘れていたその感情が風にそっと運ばれてくる。
歩きながら胸の奥の暖かさと同時に、寂しさもこみあげる。
また、あいつらに会いたい___なんて。
子どもの頃の友情と笑顔は季節が変わっても色褪せることなく、僕の心に残っている。
秋風に吹かれながら、僕は静かに微笑んだ。
【予感】
夕暮れの風が少し冷たくなった。
吐く息が白く滲み、街路樹がわずかに揺れている。
秋の名残と冬の空気が混ざり合い、街は静かだった。
仕事帰りのホームで電車を待ちながら、僕はふと懐かしい予感がした。
電車が滑り込む音に目線を上げると、向かいのホームに懐かしい背中があった。
学生の頃、毎日のようにバカ笑いした友人だった。
お互い社会人となり、なかなか会えずにいた。
よっ、と手を上げると向こうもこちらに気づいたようで笑い返してくれた。
互いに電車を見送り、改札で落ち合う。
「偶然やな」
「いや、会う気はしとったよ」
自販機で缶コーヒーを買い駅前のベンチに並んで腰を下ろす。
冷たい缶を手にしながら他愛もない話が弾む。
仕事の愚痴、昔の冗談、くだらない夢の話。
なんだか学生時代に戻ったようで、気づけば頬が緩んでいた。
帰り際に、彼が笑って言った。
「また会おうや。今度はあいつらも一緒に。」
思い起こされるのは学生時代にいつもつるんでいた奴らの顔だ。
皆とまた会えるなんてどれだけ楽しいことだろう。
懐かしい友人に手を振り、帰路へとつく。
夜風は冷たいのに、胸の奥がぽかぽかと温かかった。
【friends】
僕の大切な友達。
一人はとっても仲間想い。
なんとも思ってませんとでも言うような素っ気ない態度のくせに、実は僕らのことが大好きで寂しがり屋さん。
一人はとってもしっかり者。
真面目でなんでもそつなくこなす。でも悪ふざけが大好きでよく毒を吐く。僕らの保護者みたいなまとめ役。
一人はとってもめんどくさがり。
いつも気だるげでやる気がない。だが意外と几帳面で綺麗好き。僕らの中では最年少で後輩のように可愛がっている。
一人はとっても気配り屋。
周りを挑発するのが大好き。でもそれでいて底抜けなほど優しい。僕らをよく見ていてささいな変化にもすぐに気づく。
一人はとっても天然さん。
物知りで賢いくせしてみんなから愛されるムードメーカー。本人がおらずとも僕らの話題の中心にはいつも彼がいる。
僕の大切な、大切な友達。
僕の世界に誰1人欠けてはならない。
それほどに大切で、宝物。