携帯電話がぶっ壊れて非日常がやってきた。
LINEとかやってないし友達いないけど、それなりに困った。
いつの間にかこいつに日常を乗っ取られてた。
失くして分かる有り難さレベルにまで成り上がりやがって。
ま、仕方ない。こいつがいると便利だもん。
(日常)
「城ヶ島の雨」という歌がある。
学校で習ったかどうか定かではないが、有名な歌だと思う。
歌の中で「利休鼠の雨が降る」というのがあるのだが
よく大量に何かが落ちてくることを○○が雨のように降ると
例えるように、この場合も大量発生したリキューネズミとやらが
雨のようにどこかから落ちてくるのではないか?と思い
こっそり利休鼠という種類の鼠がいるのかと調べてしまった。
…利休鼠って色名で、そのまんま雨の色だったのねん。
ま、好きかと言われると微妙だが
見てるとなんか落ち着く
いい色だなとは思う。
(好きな色)
私の姉は運がものをいうゲームが恐ろしく強い。
ことモノを賭けたりしようものなら絶対負けない。
子供の頃、お客人からの頂き物のまっずいチョコを
ポーカーで負けた方が一つ食べるという賭けに
安易に乗ってしまったことがあった。
とはいえワンチャンスポーカーである。
こんなもんカード運以外の何物でもないと思うし
普段の勝率は大差あるわけでもない。
…まさかの10連敗であった。1個も勝てない。
苦くてまずいチョコを立て続けに食わされ
とうとう続行を断念したという、まさに苦い思い出がある。
これはほんの一例に過ぎず、何度か姉にこの手のことを
持ちかけられる度にコテンパンだった私は
早いうちから自分にはたいした運はないと理解した。
運任せのゲームは勝てる気がしない。
ま、おかげで大人になって
賭け事で身を持ち崩すようなことになってないのは
姉がいてくれたからなのだろうか。
(あなたがいたから)
小学校の2年生の時の話。
既に朝ギリギリ登校を習慣化していた私は
その日もチャイムと同時に教室に飛び込んだ。
もうほとんどが大人しく着席していたが
ただいつもはクソ騒がしいのに、その日は妙に静かだった。
とりあえず自分の席について前を向いて気がついた。
黒板に上方向の大きな矢印が描いてあり
その下の片側に私の名前が書いてあった。
もう片方は何か書いてあったが消したあとがある。
多分隣に名前を書かれた子が自分の名前だけ消したんだろう。
笑い声はなかった。
私が来る前にクラスでひと悶着でもあったんだろうか。
ほどなく教室に入ってきた先生は
何の反応もせず無言でそれらを消して朝礼を始めた。
相合傘のテーマを目にして、すっかり忘れてた
あの黒板が、ふとよみがえった。
そうか。いまだに独り身なのは、片側空欄で消された
あの時の相合傘の呪いのせいに違いない。
(相合傘)
食器洗い用のスポンジ置き皿を
シンクの内側に吸盤で固定してある。
吸盤も永遠の命ではない。
ある日突然シンクにスポンジもろとも落ちている。
その場にいるときは落ちる音が結構大きく聞こえる。カコーン。
それでも何回かは付け直すとしばらくはもってくれるが
次第に落ちていることが多くなる。
吸盤をつける側面を掃除してピカピカにしてみたり
吸盤の水分をよく拭き取ってなんとか努力してみるが
最後には付けた矢先に落ちてしまう。
ここまでか…
スポンジ受け皿の吸盤をそっとはずして
100均で買ってきた吸盤に付け替える。
固くなった吸盤を、もう何度見送った事だろう。
ありがとう吸盤。お疲れ様吸盤。
(吸盤の最後)
ちがう、ちがう、落下だった。
最近書いてるうちにテーマを忘れることがある。
(落下)