眠りにつく前にか…
さて眠ろうという意思のもとに寝るときは
必ずトイレに行く。出なさそうでも行く。しぼりだす。
おねしょしたくないからではない。いや、したくはないけど。
延々とトイレを探す夢をなるべくみたくないからである。
何故かどこかの商業施設でトイレを探して
散々うろうろ歩き回り、目が覚めたときにヘトヘトになっている。
大概眠れば疲れって取れるものなのに
眠る前よりどっと疲れてる感じがするなんて冗談じゃない。
というわけで寝るときは必ずトイレに行く。
今宵もトイレに行った、大丈夫とつぶやき眠りにつくだろう。
絶対開かない箱作ったら、箱の中身は永遠に空なんじゃない?
空気とかは箱の中身じゃなく箱の中の環境ってことで。
開かないんだから永遠に空っぽだよね。
風化したり壊したりして出来た箱の穴に中身を入れても
それはもう絶対開かない箱じゃないし。
え、屁理屈?そうかな?そういうことじゃないの?
長く続いてほしいとか続いてほしくないとか
未来に長く続く事象に対して誇張として使う言葉なのかな?
「人間がいる限り、永遠に戦争は無くならない。」
とか?
「エリックとオリビアの愛は永遠だから船が永遠に戻される。」
…あれは、あいのおもいでを使えばおさまるか。
あ、そうか。
「エリックとオリビアの愛は永遠だ」
でいいのか?
うーん、私には永遠の納得いく使い所は
永遠に無さそうな気がしてきた。
何だここは、暗くてよく見えない。
誰かいませんかー!返事がない。
あ、あっちの方に強い光が見える。
歩いていくと次第に明るくなり、派手な看板を見つけた。
「みんなの理想郷 カムヒヤー」
おお、ここが理想郷か。いつのまにか高い塀に囲まれた
理想郷の目の前に立っていた。
大きい扉を見つけておもいっきりノックする。
開けておくれー!
ゴツ!!…痛いなんてもんじゃない。
返事とばかりに塀の上から投げられた石が頭に当たった。
こちらからは見えないが数人の声が降ってくる。
帰ってくるな!ここにお前はいてはいけない!
せっかく理想郷になったんだ。
どっか行け!ここ以外のどこかへ行け!
仕方なく、もといた場所に戻る。
…追放されたのかな?そうか、私があそこからいなくなったから
みんなの理想郷が完成したのか。
気がつくと誰もいないと思ってた暗がりに結構人がいた。
皆一様に頭から血が流れてる。
自分の頭から流れる血を見せると皆が笑った。私も笑った。
安心した。なんだ、ここが理想郷だった。
過去を思い返すと懐かしいと思えるものが見当たらず
あ~嫌なもの思い出しちゃったよ、がポロポロ出てくる。
例えば昔あった遊具を思い出すと、それにまつわる失敗や
周りのヒトとのわだかまりなど。
その嫌なもの一つ一つがまっすぐに私に繋がってて
今の残念な自分を構築している。
だーー!!重い重い!
何かないのか?一つ位?
甘く、慕わしい、離れがたいような「懐かしく思うこと」
無い、無いな。どれ引っ張り出しても
もれなくセットで嫌な記憶が付いてくる。
そうだ、な。今日からでも何か作るか。
うん、10年後にでも懐かしく思えるような何かを。
そうしよう…
桃之介 「おじいさん、おばあさん。
桃之介は鬼ヶ島に鬼退治に行きます」
お婆さん「おお、行くか?黍団子持って行きなさい」
お爺さん「桃左衛門は戦闘力に全フリして
猛獣三匹を家来にしたもんだから
道中食費がかさんで途中で解散してしまったのだ。
桃之介よ、お前なら家来の三匹を如何にする?」
桃之介 「ふふふ、抜かりはありません。
牛、豚、鶏を家来に連れていきますゆえ」
お爺さん「・・・」
お婆さん「なるほどのぅ。では黍団子を可愛い袋に入れてと。
メスを連れて行きなされよ」
桃之介 「メスを…は!乳に卵。食肉にとのチョイスでしたが。
ありがとう、おばあさん。では行って参ります」
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お爺さん「桃太郎に期待するかの…」