何だここは、暗くてよく見えない。
誰かいませんかー!返事がない。
あ、あっちの方に強い光が見える。
歩いていくと次第に明るくなり、派手な看板を見つけた。
「みんなの理想郷 カムヒヤー」
おお、ここが理想郷か。いつのまにか高い塀に囲まれた
理想郷の目の前に立っていた。
大きい扉を見つけておもいっきりノックする。
開けておくれー!
ゴツ!!…痛いなんてもんじゃない。
返事とばかりに塀の上から投げられた石が頭に当たった。
こちらからは見えないが数人の声が降ってくる。
帰ってくるな!ここにお前はいてはいけない!
せっかく理想郷になったんだ。
どっか行け!ここ以外のどこかへ行け!
仕方なく、もといた場所に戻る。
…追放されたのかな?そうか、私があそこからいなくなったから
みんなの理想郷が完成したのか。
気がつくと誰もいないと思ってた暗がりに結構人がいた。
皆一様に頭から血が流れてる。
自分の頭から流れる血を見せると皆が笑った。私も笑った。
安心した。なんだ、ここが理想郷だった。
11/1/2023, 2:38:23 AM