父方の墓参りに車で行くと、決まって立ち寄るラーメン屋さん。
トラックの運ちゃんに人気で駐車場はいつ来ても
大きなトラックがひしめいていた。
ラーメンもさることながら、餃子が抜群に旨い。
墓参りと言えばあのラーメン屋さんの餃子!だった。
そして先日。その日も恒例通り、そのラーメン屋に向かったが
近くまで来た途端、建物が立派になってることに気づいた。
駐車場も空いている。嫌な予感がする。
看板はあのラーメン屋さんで間違いない、名前も変わってない。
だが、店内に入るとスタッフが総入れ換えしていた。
まだ分からない。一縷の望みを胸に注文し
出された餃子を恐る恐る口に入れる。
…終わった、何もかも。
茫然と自失した私を尻目に母がさらっと店員を捕まえ尋ねる。
代替わりしたとのこと。
何故にあの餃子を受け継がない?何故に…。
また食べれると思ってた。ここがずっと1番だと思ってた。
まさか前回の墓参りが最後の餃子になるなんて。
帰りの車内は、恒例の墓参りにしてはこの上なく
しめやかだった。
世界に一つだけ?そんなのばっかりじゃないの?
おんなじなんてそうそうないよ。
星はいっぱいあるけど、同じ星なんて一つもないし
火星の月は二つあるけど、まあ違うんだろうし。
部分的に同じだったり似てるものを
同じグループにして、呼び方を同じにしてるけど
ちょっとでも違えば違うから、一つ一つ違うから。
あ、でもポケットの中のビスケットは叩けば二つになるらしい。
私のポケットは不思議なポケットじゃないから
壊れて二つに割れたビスケットに変わり果てるだけだけどね。
眠ろうと目をつむり、横になってから数分たったのか
心臓のドドドドが始まった。
この上なく安静な状態なのにまるで全力疾走した後のよう。
時計に目をやる。蛍光塗料のボンヤリ光る秒針。
耳に聞こえる心音で10秒間に27回、28回?
早くてカウント出来ない。
苦しい、心臓が口から出てきそう。
そんなことあり得ないが、そんな感じ。
仰向けより横向いてた方が楽なので転がる。
あーあ、まいったまいった隣の神社。
治まってもしばらくスゴい疲労感で寝付けない。
とりあえず暴れる心臓をなでてやろう。
はい、ねんねんよ。おころりよ。
小学校3年生の時の担任の先生は体育の授業に
皆の前でラジオ体操すると、必ず笑いをとっていた。
手先を柔らかく大きく動かし、優雅にジャンプし
まるで踊るようなラジオ体操だった。
思い出して再現してみたが結構しんどい、これ。
カッコウ即死
あの崖から突き落とされた
カッコウ即死
背中押され突き落とされた
落ちていくとき
振り返ったの
あれはあの時の
オオヨシキリだったのかしら
カッコウ即死
翼なくし飛べなくなってた
カッコウ即死
このままでも死んでたのよ
許せなかったのね
分かるわ 分かるわ
あれはどの時の
オオヨシキリだったのかしら
カッコウ即死
フフフン ハハハン
カッコー
私の携帯電話にもともと入っていた、ボサノバなメロディを
目覚ましにしてたら、そのうち歌詞を付けてました。
爽やかな曲になにやってんだか、しかも2番まで…