「鳥かご」
鳥かごの中
自由を求めて旅立つも
外の世界は自分が思っているより
綺麗じゃなくて
嗚呼こんなものなら、
叶わぬ夢を抱いて
「もしもタイムマシンがあったなら」
戻ったところで自分に何ができるわけじゃないし、戻らなくて良いかなぁ。
あ、でもタイムマシンで戻ってその時代を楽しんで帰りたいな。一種の旅行みたいにさ。
自分に言えることなんて何もないよ。
綺麗事しか言えないし、まぁ、そもそも行動にすら移せない馬鹿だからさ。
ただ会いたい人に会いたい。
そういう願いならあるよ。
「私の名前」
その名前を呼ばれれば振り返る。
でも、あまり名前で呼ばれた事はない。
基本あだ名か、苗字かの2択だ。
だが、後輩に同じ名字の子がいるから、点呼の際は名前がついてくる。
ついこの間、いつもと違う人が点呼をとっており、名字を呼ばれた際に、「え、どっち?」とその後輩となり、その時は後輩の方だったのだが、その後その人は見事に僕の名前を読み間違えたのだ。
これに友人の1人は爆笑。
間違われるのは慣れているが、なんの戸惑いもなく呼んだのは初めてだったので凄く驚いた。
友人曰く、引っ掛け問題に綺麗に引っかかってるようだったと。
「視線の先には」
帰ってきて欲しかったあの子が居て
みんなで良かった、おかえりなんて言葉をかけて
あの子もごめんねって謝ってくれて
僕も気付けなくてごめんねって、
でも帰ってきてくれてありがとうって
そんな未来を思い描いた。
本当に、帰ってきてくれれば良いのに。
「遠い日の記憶」
僕は記憶力が悪いわけじゃなかった。
でも、ある日を境に物忘れが多くなった。
いつしか自分の記憶すらあやふやになってしまった。
時には夢と現実の区別がつかなくなってしまったり、妄想なのか現実なのか分からなくなってしまうことがあった。
思い出そうとすると頭が締め付けられるような痛みに襲われ、息切れや吐き気すら催すものだから、思い出さないようにもしていた。
だから、僕の「記憶」が正しいのか判別はできない。
でも、知ってるんだ。
それは、自分から嫌な記憶に蓋をしてからだって。
それは死なないための防衛反応で、
僕が生きていくための術だった。
それでも、心に負った傷だけはうまく隠せない。