今年は雨降りの時期に重なって、すぐ散ってしまった気がする。
桜は散る時、舞う時が美しいとされていて、
言わんとしていることはわかる。
でも、私は散り切って緑の葉をつけている、今の桜の樹の方が生き生きしていると思う。
生命力がみなぎっている、というか。桜の薄桃色の花びらは、あまりに儚くて見ているうちに不安になる。
散って根元に落ちた花びらたちは、すっかり茶色く変色していた。
桜は散る時が綺麗、と言った人は、終わった後の姿なんて見向きもしてないんだろうな。
自分だってその中の1人に過ぎないことは、うすうすわかっているけれど、見えないふりをして。
残酷だなあ、と思った。
『桜散る』
悪く言うな、って怒れることがあった。
私なんかが、って泣きたいことがあった。
あなたが好きだなぁって嬉しく思うことがあった。
これ以上ないってくらい楽しい時間があった。
いくら正しかろうと、世の中ではどうしようもないこともあって。割り切れなくて悔しくて、きっとこれからも振り回されるだろうけれど。
全部、きっと、それでいい。
今日も一日、おつかれさまでした。
『それでいい』
飲み会の帰り道、皆んなと歩いている中こっそり手を繋ぐあの緊張感と多幸感が好き。
さり気なく車道側を歩いてくれるところが好き。
単純なカードゲームで延々と遊んで笑っていられる、お泊まりが好き。
美味しいものを一緒に食べる時間が好き。
しあわせだね、と笑うあなたのくしゃっとした笑顔が大好き。
本当に言いたいことに蓋をして、強がるふりをして。
私の目の前からいなくなる、今のあなたは大嫌い。
『何気ないふり』
大抵の人間は、お約束やハッピーエンドが好きらしい。
私も例外なくその1人だ。
映画や小説で予想通りの展開に安心した覚えもあるし、
話を書こうとすれば、登場人物たちをどうにか幸せにしてあげたくなる。
でもちょっとだけ、意地悪な終わり方を期待していることもある。
幸せや希望を期待しながら、どこかで人生はそんなに甘くない、と殴っても欲しいらしい。
幸せかどうかは本人が決めること、とはよく言ったものである。
どうか悔いのない毎日を。
美味しいフルーツタルトを食べて幸せな私の、
これから書くお話はどう終わるかしら。
『ハッピーエンド』
そんなに見つめられると恥ずかしいわ。
怒らないでちょうだい、
最近なんだか気分が乗らなかっただけなのよ。
嘘嘘、私の実力不足と慢心のせい。
ごめんなさいね。
私の作品に、出会ってくれてありがとう。
今日からまた、書く習慣を続けられるよう頑張ります。
見かけたら、その時はじっと見つめていて。
『見つめられると』