奇跡をもう一度起こすなら、
人間として、生まれ変わりたい。
そして、次こそ
貴方との恋愛を成就させたい。
人間として生まれてきて良かった。
心からそう思える人生を歩みたい。
それには貴方が必要。
2人が次の人生で出会い、恋愛し、
成就するには、奇跡を起こすしかない。
今の人生が悪いわけではない。
充分に幸せ。
人間として生まれて良かったと思う。
だけど、心から思っていない。
穴がぽっかり開いている。
奇跡をもう一度
心の穴を埋めて欲しい。
きっと明日も
僕は君の笑顔に
癒される
ポツ、ポツポツ、ザー、ザーザー。
夏に良くある通り雨。
スマホで天気予報を見たときは、
しばらく雨が降らないって出ていたのに
なんで~
買い物袋を両手に下げ、空を見上げる。
通り雨は、やむ気配がない。
傘もないから、帰ることができない。
朝、干してきた洗濯ものは全滅だ。
スマホだけの情報に頼った自分を戒める。罰として、水を張ったバケツを持たされている気分だった。
予報に出てなくても、この時期は特に通り雨対策をしなくては……と、反省する。
秋と言えば……
読書、スポーツ、芸術、食欲。
真っ赤に染まる紅葉。
心地よく耳に響く鈴虫の声。
大好きな季節。
だけど、最近は夏の残暑が強く、暑い日が過ぎ去るとすぐに冬が到来する印象がある。
秋という季節をじっくり味わう余裕がない。
少し寂しい……
席替えの時、窓側になると宝くじの高額当選をしたのかという程、喜んだ。
私は進学クラスで他のクラスよりも授業が1コマが多く、7時間目は大学の受験勉強に勤しんでいた。集中力なんて続くわけもなく、授業中は窓の外を眺めていることが多かった。
あの子が居たから。
サッカー部員のあの子。
教室の窓から見える景色は、ドキドキでいっぱい。
耳を澄ませば声まで聞こえる。
あの子は部活を頑張っている。
私も勉強を頑張らなければ。
そう思いながら、集中するのは窓の外。
人が恋しくなる季節のほのかな恋。
ただ遠くで見ているだけで満足していた
うぶな恋だった。
大学には無事に合格し、あの子とは別々の道を歩むことになったけれど、今でも窓から外の景色を眺めると、あの子がボールを追い掛けている。