新年明けましておめでとう。
俺は皆が盛り上がっている中、コンビニバイトをしていた。年が明けてからすぐだったので年が明けた実感があまりなかった。そんなことを思いながらレジからドアの外を見ていると
「見て、初日の出だよ!」
二人の若い声が聞こえ外を見ると、まるでこの世界を飲み込んでしまいそうな綺麗な初日の出だった。この瞬間初めて2025年になったことを実感した。さぁ今年はどんな年にしようか。
風邪の壱
私は何故か嫌われている。単純に自分がいるだけですぐに追い出されてしまう。でも最近になって、どうして嫌われるかやっと分かった気がする。おっと、そろそろ私に出ていけという風がてきたようだ。さあ次はどこに向かおうか。そう思ったとき私は独り言のようにつぶやいた。
「もしかしたらあなたの身体に『風邪』としてお邪魔するかも知れません。そのときはよろしくお願いしますね。」
風邪の弐
僕には中学1年の妹がいる。僕とは4歳も離れているけどいつも負けず嫌いで、少し強く言うだけですぐに泣いてしまう。そんな妹が今日風邪を引いてしまった。
家には僕と妹しかおらず、わざわざ学校を休んで面倒を見ることになってしまった。とりあえず僕は冷えピタとプリンを妹に届けることにした。妹の部屋のドアを開けると妹がぐったりした様子でベットに横になっていた。
すると妹が
「早く食べさせてよ、お兄ちゃん」
「僕はお前の執事か!」と思ったが僕は妹のすぐ横にいってプリンを食べさせてやった。
「おいしい。ありがとう」と妹に微笑まれてこちらが恥ずかしくなってしまった。普段は「ばか」とか「嫌い」しか言わないくせに。その後冷えピタを貼ろうとしたがその前におでこをつけて体温を確認した。
「だいぶ熱いな。」
というかさっきより少し顔が赤くないか?
一通りの看病終えて僕は部屋を出ようとした。すると
「お兄ちゃん好きだよ」
そう聞こえて後ろを振り向くと妹が寝息をたてて寝ていた。
「まぁ、気のせいか」
妹を起こさないようにドアをゆっくり閉めた。
私には好きな人がいる。いつもは上から目線だけど、私が泣いているときはすぐに慰めてくれた優しいお兄ちゃん。今日は風邪を引いてしまったけど、お兄ちゃんが看病してくれた。ただそれだけで嬉しかった。
私が目を覚ますと近くでお兄ちゃんが寝ていた。ずっと一緒に寝ていたと考えるだけで少し気恥ずかしい気持ちなった。お兄ちゃんの顔に私の顔を近づけると良くない気持ちが頭をよぎったが胸の内に秘めることにした。
その代わりに私はお兄ちゃんの耳元でこう囁いた。
「ずっと一緒にいてね、お兄ちゃん」
今日は私の誕生日だ。今年で14歳になる私は、家族や
親戚に祝われていた。「〇〇ちゃん誕生日おめでとう」
私が前から欲しがっていた、イヤホンがプレゼントだと分かったときはとても嬉しかった。ああ、この時間が永遠に続けばいいのに…
「先生!私の娘が目開ける日はいつ来るんですか。」
彼女は涙を流したまま、私の胸の中で顔をうずくませた
ままそう言った。彼女の娘は笑顔が絶えない子だったらしい。しかし、不運なことに交通事故に遭ってしまった。しかも誕生日の前日に。奇跡的に一命は取り留めたが、今は植物状態になっている。もしかしたら永遠に目を開けないという可能性はあるが、だが私は目を開けることを信じていなければならないのだ。
今日はとても暑かった。部活帰りの私はとぼとぼと歩いていた。「暑ちー」と独り言を呟きながら。残りがあと数分となったとき、ふと空を見上げると積乱雲が太陽と重なって光を発していた。まるで、私を鼓舞させているか思うほどに眩しい光だった。この光をみてなぜだか頬を伝って涙が流れていた。私はこの頃あまり自分に自信を持てなかった。レギュラーになっても納得のいく結果出せず、勉強でも成績も思ったよりも振るわなかった。この光は「失敗してもいい、また頑張ればいいんだよ」と、まるで私の耳に囁いているように思えた。