夏休み、私はいつものように遅く起床した。下ではいつものように母が料理を作り、父は新聞を読み、
姉は先に塾に行く準備をしていた。今日も普段と変わらないそんな日のはずだった。しかし、一つだけ違うところがあった。それは、みんな私を見た瞬間泣き出したのである。突然の出来事に驚きつつも私は尋ねた。
「何で泣いてるの?」
すると姉が
「あんた覚えてないの?あんたはもう一ヶ月前に死んでるんだよ!」
その直後、私は今までことを思い出した。その日は姉と小さなことで喧嘩して
「お姉ちゃんなんて嫌い!」
と言って家を飛び出した。一心不乱に走っていると、横から車が来て私は遠くに吹き飛ばされた。その時は異常なほどひぐらしの鳴き声が騒がしく、まるで私は当然の報いを受けただけだといっているように思えた。そんな中で私は願った。そうもう一度会って謝りたいと…
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私は妹と喧嘩をした。妹と私は全く違った。私は勉強、スポーツができ友達も沢山いた。しかし、妹は全く逆で勉強もスポーツも苦手、休み時間も一人でいるような内気な性格だった。そして、私たちは普段からよく比べられていた。だから妹に辛い思いをさせてしまったことを謝りたかったのに、帰らぬ人になってしまった。そんな気持ちで生活していると、死んだはずの妹が現れた。妹は何も覚えていなかった。そして私は妹に聞いた。
「何であんたまで泣いてんのよ」
「だってお姉ちゃんにずっと謝りたくて、だからやっと謝れてよかった」
私とおんなじ気持ちだったんだ。そう思いながら私はそっと口を開いた。
「私こそごめんね」
8/20/2025, 2:57:39 AM