隣の姉の部屋から、「君がくれた夏〜♪」という

フレーズが聞こえてきたので、壁に耳を押し当て、

続きを聴いた。「True Love True Love 〜♪」と

続いた。一体姉は何を観ているのだろう。

そう思い、忍び足で姉の部屋のドアの前まで来た。

こっそり覗こうとした途端、ガチャリとドアが開き

姉とばったり出くわしてしまった。

いつか、いつか。

朝の五時にセットしておいたアラームが鳴った。

電気スタンドに手を伸ばす。

山積みになった課題がそこにはあった。

あと五分寝てからにしよう。

でも、ここで寝てしまったら多分無理だ。まぁ、

いっか、いっか。

今を生きることは食べること。

でも食べると無くなるから、ちょっぴり寂しい。

落ちろ落ちろと言ってくる豆は？

誰かがいると思ったら、自分の影だった。

あの子がいると思ったら、それは木だった。

地面の自分と見つめ合う。そいつが泣いたと思ったら

雨が降り始めていた。