五時間目の自習の時間は、授業よりもしんどい。

眠気と戦うこの五十分は、

恐らく人生で一番無駄な時間だ。

さっきから教室と準備室を行ったり来たりしている

先生に合わせて夢から現実へ、現実から夢へと

行ったり来たりしている。

制服が気に入らないと言う妹は、

自分と違う高校に進学するつもりでいる。

どうやら友達との約束があるようだ。

フンと鼻で笑った。

夏に雷。今日は少し肌寒い。でもシャツの背中側は

少し湿っている。

隠したい過去はいくらでもある。

ただ、自我を持つ前の過去は隠れていて欲しくない。

風鈴の音がした。死にたい。