7/10/2025, 10:53:19 AM
ドアの鍵穴に鍵を刺すと同時に、
マンションの共用廊下の照明が灯った。
この時期は、夜の七時頃に灯るようになっている。
ドアノブに掛けた手がオレンジに包まれる。
帰ってきたのに、これから出掛けるような気がした。
7/8/2025, 10:25:33 AM
高校入学後、最初にカラオケへ行った友人と
二年ぶりにカラオケへ行った。
友人は相変わらずの選曲だ。変わらない。
それに対し、自分の好みはこの二年で
がらりと変わっていた。
残り十分で退出の通知が来た。
あの頃歌ってた曲、歌ってみるか。
いつかこんな日が来ると心の中で思っていた景色が、
今ここにある。
イントロが流れ出す、あの日の景色を二人思い出す。
7/7/2025, 12:27:43 PM
風呂を済ました後、髪を乾かし歯を磨き、
いつも通りベッドに横たわる。電気を消した後、
目覚ましを設定し忘れていることに気付き、
せっかく毛布であったまり始めた身体を
冷房ですっかりガン冷えの空間に投げ出す。
今日はこれにしよう。
目覚ましをセットするついでに、棚に置いてある
好きなアーティストのカップリング曲集を手に取る。
“願い事”そんな可愛らしい響きの言葉が浮かんだ。
僕にはまだ分からない。結局一曲目を聴き終える前に
そのまま眠ってしまった。
7/4/2025, 12:08:22 PM
今日の帰り道は視界がやけにボヤけるような。
塾の帰り道、とっくに10時をまわった国道は
静寂に包まれている。
ペダルを一漕ぎ、それでも景色は変わらない。
とくにライトのまわりがやけにボヤける。
火事でもあったのかと疑うほどボヤけていた。
構わず徐々に加速していくと、
ゴーっと耳を撫でられたような気がした。
風である。
7/3/2025, 12:12:43 PM
夜中に目が覚める。
どうやら目覚まし時計の設定を
間違えてしまったようだ。
止めに行こうとしたが、
左足が動かない、
別に挫いたわけでも攣ったわけでもない。
ただ、動けないのだ。
そして、目覚ましを止めることなく眠りについた。