好きな本
おばけのてんぷら
西の魔女が死んだ
透明な夜の香り
獣の奏者 全十巻
寝る間も惜しんで夢中になることを教えてくれる
文字が読めて、書ける現代に生まれたわたしは幸せ者だ。
梅雨
「雨が始まったわ、日本はこの時期に雨が増えるわね」
「あー、まあ日本は四季の中に梅雨があるからね。」
「ツユ?....あっ!私この前教えてもらったよ、雨が降らなくなるとツユが明けたって言うよね!
私、日本の季節や物事に対しての表現の豊かさだいすきよ!」
外国育ちの彼女は何かと日本のことを教えると楽しそうに報告をしてくれる。
ふむ、じゃあオノマトペでも教えてあげようかな。
「雨が降っている時には、『しとしと』とか『ポツポツ』って表現するんだよ」
「シトシト!ポツポツ!雨に可愛らしさを感じるわ!」
梅雨なんてジメジメーっとして、ずっと雨が降るのが憂鬱だ、なんて思うことの方が多かったけれど、
異国から来た彼女のその感想のおかげか、日本人としての情緒というのか、趣というのかを感じる。
そういえば恵みの雨って言うんだったなあ。
そうか、言葉一つで雨も可愛くなるのか。
「ま、ぼくは現代人だからね。間違いなく梅雨明けが恋しくなるけどね。
....ただ、梅雨入りは去年よりかは憂鬱ではないかもね。」
無垢
地球に無垢なんて存在するのかね。
生まれてこの方、無垢だなあ。なんて感想抱いたことないや。
赤子だって少し成長すればおもちゃの取り合いをして相手をぶつじゃないか。
人間は煩悩を持つし、生き物はどんな小さなことでも争うのなんて歴史が物語ってきた。
無垢って言葉はあっても存在はしない。
空想上の生き物と同じなんだ。
それか死んで天国に行ったら無垢になれるのかもしれないね。
あーあ、やっぱり証明しようがないじゃないか。
終わりなき旅
17歳、夏
大人になりたかった、憧れが勝って初めて一人で旅に出た。
2つ隣の県でさえ未知の世界で見るもの全てが眩しかった。
ひとりで定食屋に行くことも初めてで
「唐揚げ定食ください。」と、たのむ声が震えた。
食べ終わり支払いを済ませると達成感を感じた。
「よし、次は喫茶店だ。50代くらいのマスターがいるノスタルジーな喫茶店にしよう。」
街を散策がてら喫茶店を探して探して探した。
そしたら見つけた。
昭和レトロな文体で書かれた喫茶店『ミニヨン』
入るとこれまた渋いマスターがいて、さらに新聞を読んでるおじさんやママ友だろう3人の奥様がいた。
極めつけは真紅色のベロア生地の座席だ。
ワクワクしかしない。
「いらっしゃい、窓際の席どうぞ」
なんて粋な計らいまでもらえた。
コーヒーなんてまだ苦い、でも、飲みたい。うーん。
ひとりで悩んでたら注文取りに来たマスターが教えてくれた。
「コーヒーフロート美味しいよ」
感動でいっぱいだった。
コーヒーフロートの味も、マスターの気遣いも、この空間の持つ穏やかな空気も。
思いつきの旅だった。
でも、私はきっとこの旅のおかげで、次の旅を思わずにはいられない。
小さな感動と好奇心を抱えてきっとずっと旅をしたくなるのだ。
月に願いを
満月がすぎて少しづつ月が欠けいく
高貴な光が少しづつ隠れていく
あと11日で隠れてしまうよ?
願いを届け忘れないようにね。