もし、神様がいるのなら。
いや、神様なんていないけど。
どうか、どうか、私に……
なにが欲しいんだろう。
こんなに願って、何が欲しかったんだっけ。何がしたかったんだっけ。
あれ?さっきまで、あんなに…
あぁ、忘れてしまった。
無難なお願いでもしておこう。
世界が平和になりますように。なんて。
いつだったか。
あの人の手の冷たさに笑ったのは。
あの人の淹れたココアを飲んだのは。
あの人が私に口付けをしたのは。
いつだったか…
もう、新しい相手がいるよ。
あの人と一緒に来たイルミネーションに、違う人と来たの。
手はあったかいし、オシャレなイタリアンを食べさせてくれる。
でもね、その唇が私に触れることはないの。
ねぇ、もう戻れないね。…あなたが欲しいよ。
私は雨が好き。
雨の日は音がうるさくて安心する。
口から漏れ出す小さな声がかき消されてしまうから。
雨は濡れてしまうから好きだ。
目から溢れ出る弱さが誤魔化せてしまうから。
雪の日は音が静かで落ち着かない。
私1人が取り残されたようだから。
雪は溶けてしまうから嫌だ。
どれだけ隠れようとしても見つかってしまうから。
私は雪が嫌い。
『人は星になりたいらしい。
誰もが目を奪われる、そんな存在になりたいらしい。
お空でキラキラ輝けるようになりたいらしい。』
人間は手に届かないものを欲しがるし、手の届かないものになりたがる。
だって人間は自分より下に人がいないと生きていけないから。
上を見て悔しがるより、下を見て安心する。
なんとも哀れな生物だろう。
ん?あぁ、そう。大正解。君だよ君。
コレは哀れで醜く汚い君のこと。
大丈夫。君も死んだらお星様なんだからさ。
窓から夜空を眺めた。
星なんてないし、月も出てない。真っ暗な空。
寝られないから、寝たくないから、窓を開けて冷たい夜風にあたる。あぁ、冷たい。生きてる。
変な実感を得ながら息をする。
いつの間にか朝日が昇る。
無慈悲だなぁ。でもね、私は大丈夫。
寝ない限りは明日じゃないんだって。
ねぇ、そうでしょ?
明日なんて来なくていい。でも、明日は平等に来るって言うなら、私は意地でも今日を生きてやる。
明日に希望なんか持ちたくないから。