逆さまに落ちていく気分
放り出された気分
高い高い崖から真っ逆さまに
暗闇に落ちる時の恐怖は
今日は何故か感じないみたいだ
なにもかも捨てて
なにもかもから捨てられて
1人で昏い海の中を
彷徨っていくのか
何が幸せなのだろう
人に依存して過ごすことか
人との関わりを絶って1人で生きることか
眠れないほど君のことを考えてしまう。
眠れないほど君が頭に浮かんで仕方がない。
頭から追い出して眠りたいのに。
明日は君ではない人と会うのに。
君は頭から出ていく気配がない。
ああそうか。
僕が君を頭から追い出そうとしていないのか。
僕が君を頭の中に閉じ込めていたいだけなのか。
今日は君との2回目の旅行。
一人旅と嘘をついて出てきた家。
それもそうだ。
1年も前に別れた君との1泊2日。
嘘以外にどう言えばいいんだ。
夜、ツインベットに潜る。
君が隣にいる。
それだけで、胸が高鳴る。
手を伸ばせば君がいる。
手を伸ばす。
旅行先では寝られないという君。
僕の手と君の手が合わさる。
どうして別れを選んだのだろう。
誰も正解なんて知らない。
手を繋いだまま眠りにつく。
束の間の、前に戻ったように穏やかな時間が流れる。
翌朝、時を告げる音。
僕たちは手を離し、旅行を続けるんだ。
あの人のきらめきはどうしてなんだろう。
自分のことを大切にしているから?
自分の好きなことを沢山しているから?
私生活が充実していそうだから?
それとも、あの人が愛されているから?
人は愛されると自信が持てる。
自信があるときらきらしてみえる。
私があの人に見たきらめきはそういうことなのかもしれない。
君が出て行ってから何日経ったか。
君が居なきゃ僕は僕じゃ居られないみたいだ。
不完全だった僕は、
君と離れてからもっと不完全な僕になってしまった。
君が居ないと何もできないんだ。
1人で息をする方法も、
2人用のテーブルで1人で食事を摂る方法も、
ダブルベットに1人で眠る方法も、
全部全部忘れてしまったみたいだ。
こんな不完全な僕を、
今の君が見たらなんで言うだろうか。
笑って「なにしてるの」って、
あの頃みたいに言ってくれるだろうか。