これまでずっとすれ違ってきたね
同じ時間を過ごしてきたのに
別々の景色を眺めて
たまに淡い色彩の
交わった線がまたすぐに離れていく
ねえでも
あの瞬間2人の景色は交わって
今同じどこまでも続く
白い空を2人共にかかえてる
あの秋あの瞬間あの視線が
2人の時を告げる
『2人の時』
哀しい時、ふらりと海に来る
どこまでも青く青く続く海は
私の哀しさなんてちっぽけだと
そう思わせてくれる
波の音が囁くように聴こえてくる
それでいいんだよと優しく囁く
砂浜に落ちたひとつの貝殻を手に取る
この貝殻をだれに渡そうか
ねえ君にだけ渡そうか
ゆっくり受け取ってほしい
傷跡も哀しみも2人を繋ぐ糸だから
『君に贈る貝殻』
創作のかけら
それは心の宝石箱のきらめき
深い深い夢の中で見るよ
彼ら彼女らは
躍動しながら色づいて
心の中にありありと生きているから
辛いとき 哀しい時も
共に歩いていてくれているから
決して誰にも奪えない
彼等たちの物語よ
詩『創作のかけら』
些細なことでも、人は傷つくのだから
些細なことでも、人は救われるのだから
君は今日何色の心模様だろう?
ねえ、そっと教えて
柔らかく、くるんだ真綿の想いを
優しく差し出すから
できるだけ君の心を守らせて
あまりうまくできないけど
ふと笑ってくれたら嬉しいな
詩『真綿の想い』
人には優しげな顔をして、心はどこか冷えていた。
そんな私に心の灯火をくれた君。
それは、決して直接的でも、派手ではなくて、なにげなく振り返った最高の笑みや、素朴な寝顔、ぶっきらぼうに手渡された暑い夏の缶ジュース。
心の奥底に灯火はいつまでもいつまでも灯っていて、
私の心の内側がほんのり暖かい。
この思いを君に伝えても、君はふうんと興味がないふりをするだろう。
だから、私は書く。君に灯されたこの心で、書き続けていく。
いつしかあたたかい灯火が大きなうねりとなって、突き動かす熱と変わっていく。
ねえ、君の不器用な優しさが、何かを変えたんだ。
歩きながらいつものように冗句を吐く君の背を、夏の日差しを浴びながら、追いかけた。
心の灯火