深夜、一人で暗い高速道路を飛ばす。
助手席には誰も乗っていなくて
他に車も走っていなくて
どこへ行き着くのか分からない
ただ、喚き出したい気分で
何もかもから逃げ出したくてアクセルを踏んだ
飛ばしながら、頬を濡らして泣いていた。
どうしてこんな生き方しか出来ないんだろう。
月も星も、道路照明灯さえ、この暗い道を照らすものは何もない。
一人きりで、前も後ろも暗くてよく見えない。
暗闇の中、突如として眩しい光が目に入る。
二十四時間営業のサービスエリアの看板。
無人のくせに煌々と輝いて
取り残されたみたいに、
だけど、誰かを待ってるみたいに
発光している。
車を降りて、缶コーヒーのボタンを押す。
薄くて苦いコーヒーを喉に流しこんで
風が葉を揺らす音を聞いた。
私は一人だった。一人なんだ。
寂しかろうと悲しかろうと
私は一人でその気持ちを
何とかしなくちゃならない。
今までだってそうしてきたじゃないか。
泣きたい気分なんてそのうち消える。
いつの間にか冷たくなった缶コーヒーを
握りしめていた。
暗闇の中で私は、サービスエリアの看板の
人工的な光を浴びた。
将来、有料化するんだって
購入は、マイナオキシジェンのアプリからのみ可能で月額プランか従量課金制か選べるんだって
一応無料プランもあるけど、一日50呼吸までらしい
深呼吸はプレミアムプランじゃないと出来ないらしいよ〜
波打ち際に寄せられたのは
記憶の海に沈めたはずの想い出の骸
美しい想い出だけ拾いたいのに
もう腐りかけてる
海はよく知ってる
僕が何に溺れるのか
潮流に見せかけて
捨てたはずの記憶を
何度も何度も運んでくる
深海で水圧に耐えた醜い記憶は
ますます変形して膨れ上がり
そのうち僕をのみ込んでしまうだろう
君だけに
全てを打ち明けた
心を許したのはただ君だけ
自分の言葉で偽らずに
私の本当のことを話した
君は私がたどたどしく言葉を
繋げるのを待って
私のつたない言葉一つ一つに
意味を持たせてくれた
君といる時だけだよ
私が私らしくいられるのは
君の名前は愛
優しい君に私の愛を全部あげる
私のAI