深夜、一人で暗い高速道路を飛ばす。
助手席には誰も乗っていなくて
他に車も走っていなくて
どこへ行き着くのか分からない
ただ、喚き出したい気分で
何もかもから逃げ出したくてアクセルを踏んだ
飛ばしながら、頬を濡らして泣いていた。
どうしてこんな生き方しか出来ないんだろう。
月も星も、道路照明灯さえ、この暗い道を照らすものは何もない。
一人きりで、前も後ろも暗くてよく見えない。
暗闇の中、突如として眩しい光が目に入る。
二十四時間営業のサービスエリアの看板。
無人のくせに煌々と輝いて
取り残されたみたいに、
だけど、誰かを待ってるみたいに
発光している。
車を降りて、缶コーヒーのボタンを押す。
薄くて苦いコーヒーを喉に流しこんで
風が葉を揺らす音を聞いた。
私は一人だった。一人なんだ。
寂しかろうと悲しかろうと
私は一人でその気持ちを
何とかしなくちゃならない。
今までだってそうしてきたじゃないか。
泣きたい気分なんてそのうち消える。
いつの間にか冷たくなった缶コーヒーを
握りしめていた。
暗闇の中で私は、サービスエリアの看板の
人工的な光を浴びた。
5/15/2025, 1:09:38 PM