春小豆

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9/6/2024, 6:30:07 PM

かち、かち、かち、かち、と

時計の長い針は一秒一秒
音を立てて進んでいく

長い針よ、誰よりも働いてくれて
ありがとう、おつかれさま

わたしが眠る間は
すこしやすんでいてもかまわないよ

時計らしさを捨てるなんてできない?
いいんだよ、たまには休んでくれて


時を告げる

7/18/2024, 4:10:18 PM

私だけだ
こんなに何も出来ないの
それになんにも持ってない

私だけ
私だけ
私だけが

そりゃ、みんなにあって
自分だけにないものは
自分のもっている大事なものより
目立ってしまうよ

それぞれに
自分だけのものを抱えて生きてる

いいじゃない、あんただけが分かる辛さを
ひとりで噛み締めてなよ

自分だけが自分を一番わかってやれるのよ

私だけ

7/16/2024, 4:18:25 PM

広いと思っていた公園が
おとなになった自分には
とてもちいさく感じて

戻れないせかいがあるとおもうと
例えようのないさみしさが込み上げる

だけど空はずっとずっと
大きくて広くて高い
手の届かない変わらない青がある

いつまでもその青はそばにいてくれる
はずだから、きっと



空を見上げて心に浮かんだこと

7/14/2024, 4:41:03 PM

もう一歩も歩きたくない、歩けない
前に進む力がなくてその場にしゃがみこむ

先を歩く君がしゃがむこちらに気がついた

すこし休憩したらまた進もう
一緒に行かなくちゃ意味が無いんだ

差し伸べた手を握って立ち上がる

きっとひとりじゃここで終わってた


手を取り合って

6/7/2024, 4:23:50 PM

しわしわに朽ゆくわたしの手は
ふわふわと揺れる頭をそっと撫でた

朝も昼も夜もつづけて似たような
ニュースが流れる

未来のないこの国を報じる番組に
たしかに、とまた毛足の長い君にふれる

わたしも変わらぬ愛を誓うこともなく
ことばの通じぬ子犬との人生を選んだ

最後のときは
純真無垢な君とすごしたいと思ったんだ
きっと変わらず最後まで
そばにいてくれるでしょうから

世界の終わりに君と

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