空に浮かぶ雲は大きなクジラだし、
わたしは世界を救うスーパーヒーローだし、
お昼ご飯はいちごのパフェ!
それから…星を見る魚たちの、国を通る線?
「こらっ、また居眠りしていたの?
この問題の答えは…」
いっけね、またまた机の上でわたしの夢を
広げてた… 今はなんの授業だったっけ?
重たいまぶたを持ち上げて、教科書から答えをさがそうにも、考えることはさっきの夢。
空の雲はクジラじゃない、わたしはヒーローでもなければ、お昼はパフェでもない。
うーん、世界の平和を守るのはパフェだ…
わたしはまだまだ
__夢を見てたい
ぼくの膝の上は
ふわふわの君の特等席。
こいぬの頃からおおきくなっても
ずっと膝の上にいたがる君。
あたたかくて柔らかくて
ぼくは幸せ、君も幸せ?
だといいな。
でもそろそろ足がじんじん痺れてきたよ。
うれしいんだけど、
ぼくの限界がきちゃいそう。
ああもう、かわいい寝顔に言えないよ。
__ずっとこのまま
それは、雪が降ったから、じゃなくて。
強い風が頬を撫でたから、じゃなくて。
それは、あなたというひだまりが離れていったから。
1年最後のイベントに、
電子の粒が街を輝かせている。
子どもの頃から家族、友達と賑やかに過ごすその日も、大好きなあなたと2人で笑い合うその日も大好きだった。
どんなに寒くても心があったまるその日が大好きだったのに、
あなたからのさよならで、ろうそくの火を消すように、わたしのひだまりが消えていった。
まあ、大丈夫だよって冷たい風がわたしの背中を押した。
___寒さが身に染みて
おとなになったら、なにがしたい?
なにができる?なにになりたい?
そんな夢を語ったのもつい昨日のようで
遠い昔。
おとなになったら、もっと素敵でかっこいい
自分になれていると思ったのに、
なにも変わっていないのね。
嬉しかったり、寂しかったり。
___20歳