あお

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8/20/2023, 10:24:54 AM

引越しの前日。

悲しげに海辺に座る私と、
隣で何も言わず海を眺める私の好きな人。

キミともう会えない、話せない。
だったら今してやった方が後悔も残らず
君のもとから離れられるのだろうか。

そんなことを考えてたら、いつの間にか体が動いて
さよならを言う前に、言ってしまう前に。

「……ねぇ」

私はキミに口付けた。

「…さよなら」
またひとつ、私の胸に傷が増える。


『さよならを言う前に』

8/18/2023, 11:35:35 AM

鏡に映った自分の顔が嫌い。

目、鼻、眉、輪郭、口、全部がコンプレックス。
どれだけ可愛くなろうとしても
心が満たされない。

マスクをつけて、前髪を伸ばして。
できる限り顔が見えないように
自分を保つ。

いつになったら自分は輝ける?
可愛い人たちみたいに、私だって、キラキラ輝きたい。

「自信を持って!女の子はみんなかわいいから!」

そんなわけ、ねぇだろ。


『鏡』

8/12/2023, 11:36:30 AM

帰りのホームルームが終わり、直ぐに音楽室へ向かった。

音楽室には、同い年くらいなひとりの少女。
彼女の姿は私しか見えていない。
彼女は数年前に亡くなっているから。

どういう訳かは知らないが、成仏出来ないのか
音楽室でずっとピアノを見つめている。

「…今日も弾かないの?」
そう聞くと、彼女は首を横に振った。

胸が、バクバクと破裂しそうに鼓動した。

ゆっくりと微かに透き通った指が鍵盤に触れる。
静かな音楽室にぽーんと音が響き渡った。

「…もっと弾いてよ、」

次々と音色が音楽室によく響く。

悲しくて、切なくて、でもどこか強い気持ちがあるこの音色。
何かを訴えてくるような、そんなメロディー。
君の奏でる音楽を、私は永遠と聴いていたい。

彼女が成仏したってこの音をひとつも忘れたくない。

どんどん美しく透き通っていく彼女を見つめながら、
そんなわがままを私は思い続けた。
きっと私は、明日も音楽室に来るだろう。

君の奏でる音楽を忘れないために。


『君の奏でる音楽』

8/10/2023, 10:24:46 AM

平日の朝。

今日も仕事があるくせに、
連絡もせず始発の電車に乗った。

ただつらいことから逃げたくて
仕事にもう触れなくていいのならば、
どこへだって行きたくなった。

電車に乗らず飛び降りれば良かったのではないか。
そうすれば、私たち人間なんか直ぐに死ねる。

会社に行かなくたって済む。
何も損なんかない。
私のクソな人生やめてしまおう。

最期に

今日、たくさん色んなところに行こう
人にやさしくするのをやめよう
偽善者だった私をさらけ出そう。

今日の電車が終点に着き、また明日。

私の人生も、終点を迎える。


『終点』

8/9/2023, 10:22:18 AM

上手くいかなくたっていい。

まわりは結果が全てというけれど、
私は途中経過を褒めてあげたい。

私が褒められたい、から。


『上手くいかなくたっていい』

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