お祭りなんか
人が多くて鬱陶しいだけなのに、
なぜ君が隣にいるだけでこんなにも世界が彩るんだろう。
見えていなかった世界を君が私に見せ、
魅了してくる。
目が痛いほどに、君が肯定的な発言をした全てのものが輝いて見えるの。
……あぁ、いや。
(…好きな人は、別だよ、)
寂しい気持ちと同時に、
空へ大きく花火が舞い踊る。
『お祭り』
神様が舞い降りてきて、こう言った。
「人を大切になさい」
「自分も大切になさい」
幼い頃、同じことをお母さんに言われた
「愛する人を守りなさい」
「何かを愛してしまったら、別れることもあると覚悟なさい」
これはおばあちゃんの言葉だ。
「好きなことを好きなだけなさい」
「夢を必死に追いなさい」
また、おなじこと、お父さんに言われたことがある。
「責任をもって取り組みなさい」
「たまには気を抜きなさい」
従兄弟には、こんな言葉を年上ぶられて偉そうに言われた。
「今を、必死に生きなさい。」
そして、名前も知らない誰かに言われた。
皆、心を傷をつけるように言葉を刻んでく。
いい言葉のように聞こえるのに、耳を塞ぎたいくらい苦しい。
いたい、いたいよ、つらい、くるしい。
「……ごめんなさい」
言われたことと正反対に生きてしまっている娘で。
『神様が舞い降りてきて、こう言った。』
名前も顔も知らない
誰かに身を捧げることは出来ないかもしれない。
けれど、
誰かのために愛想笑いをして
我慢をして抑えて、嘘をつくことくらいなら
私にだってできる。
誰かのために、なるんだったらね
『誰かのためになるならば』
鳥かごなのに、鳥かごの中に鳥はいない。
言われなくてもわかる、からっぽだ。
ただ寂しげに置かれて、揺られて。
鳥かごを見る度、わたしの心が揺れたように
ぐちゃぐちゃになっていく。
ねえ、ねえ。何故飛んでいってしまったの?
自由が欲しかったの?
こんなに狭い鳥かごじゃ、自慢の羽も広げられないって?
……ああ、そうかい。
広い空が見たかったのかい。
『鳥かご』
貴方と恋人になれないのなら、
深く築きすぎた友情などいらない。
そう思っているけれど、今日も今日とて
私は貴方の友達の振りをする。
『友情』