流れ星が流れた。今日は流星群の日。まだ始まったばかりでピークはこれから1時間後。1つずつ流れる星を眺めるのもとても楽しい。何をお願いしようかな?君ならどうする?恋愛?お金?健康?不老?長寿?出世?平和?願い事って沢山あるよね。だからいつも間に合わないし叶わない。私が何を願うかって?何も考えていなかったな。星に願うより自分で策を考える方が楽しいと思う性質でね。でも星に願うって素敵だとも思うよ。ロマンチックで。人によっては雅と思うのかもね。感じ方は人それぞれ。
そんなわけで、願いの形を考えてみようか。願いの形は人の数だけあるのだから。同じように見えても実は違う。同じものなんて無いんだよ。例えばある人の願いの形が星形だったとして同じ願いを持つ人でもハート形の願いもあるかもしれない。これはただ単に願いを可視化した場合に形をつけるなら。という架空の話だよ。誰にも願いの形など見えるはずもないが、となじものがないことはこれの方が分かり易いだろう。私の願いはどんな形になるのだろうね。私もワクワクしてしまうよ。
おや?君の形は少し複雑だね。でも素敵だ。君はなにか願ったのかい?ふむふむ。宝くじと健康を願ったのか。良いと思うよ。では、それが叶うことを私は星に願うよ。感謝はいらない。ただ、せっかくの流れ星に何も願わないのはもったいないと思っただけさ。
#星に願って
いつも3歩前にある背中。追いつけそうで追いつけない、届きそうで届かない君の背中。悔しいと思ってた。追いつきたいと思ってた。でも追いつけなくて楽しかった。追いつきたいのに追いつきたくない。そんな気持ち。変でしょ?でもそれが楽しくて嬉しくて、幸せだったなぁ。君はどうかな?追いついて欲しかった?そのうち追いついて追い越すから楽しみに待っててよ。
いつも前にあった背中がもう前には見えない。遠く離れてしまったから。でもきっと戻ってくる。見えなくなる前に帰ってきてね。その頃には私も追いつけるようになるから。
いつも前にあったはずの背中。帰ってきて嬉しかったのに。もう前にはないの。今度は隣。少し寂しいけどそれよりもずっと嬉しい。
#君の背中
私が欲しいものは常に妹が持っていた。お母さんからの注目が特に私の欲しかったもの。妹はいつもお母さんの側にいて、私はお父さんのところにいる。お母さんのところに行くと妹に怒鳴られ暴力を振るわれる。幼い時からそう。いつもお母さんは遠くにいる。どれだけ成長しても暴力がなくなっても睨まれ続ける。だからお母さんは欲しくても遠くにあって手に入らないもの。ずっと寂しかった。悔しかった。でもそんなこと言ったら怒られる気がした。だから何も言わずにいた。何で気づいてくれないのかな。私に興味が無いのかな。誰も気づいてくれない。でも自分から晒す勇気もない。何でこんなに臆病なのだろうか。私は自分が嫌になる。
私が欲しい遠くのものは他にもある。自分への自信や勇気。どんなに欲しても手に入らなかった。ずっと遠くに見えてるのに、ギリギリ見える位置にあるのに私には無理だと思って取りに行けないもの。誰かお手本が欲しい。
あぁ。なんてことだ。気づきたくもないことに気づいてしまった。私はなんて欲深いのだろう。欲しいものをしっかり欲しいと認識した途端、他にも欲しいものが増えてしまった。そんなこと誰かに知られれば愚かで下品だと言われるかもしれないのに。なのに欲しいものを自覚して手に入れようと目標を立ててみると心が踊る。欲とは誰に何を言われても私には必要なものなのだろうと思った。
そして私はこの日を振り返るといつも常に遠いと思っていたものは案外近くにもあるということに気づく良いきっかけであったと思うのだ。
読者の皆様にもこのことはよく考えて欲しい。皆さんが自分からは遠くて届くはずがないと諦めてしまったものが本当に何をしても届かないほど遠くにあるのかを。きっと近くにあるものもあるから。そしてそのことを身近で悩む人がいたら教えてあげて欲しい。諦めて後悔してしまう前に。
最後まで読んでくださった読者様に感謝を。
#遠く
流行りのドラマの話で盛り上がったり、あんまり面白くもないジョークで笑ったり、愛想振りまいて誰とでも仲良くして「大好き」とか「愛してる」とか言ってふざけてるけど、こんなの私じゃない。
本当はドラマよりアニメが好きで、ドラマなら任侠ものの方が恋愛ものより好き。笑いのツボは浅くないしジョークは色んな国の知ってる。 なんならジョークよりホラーが好き。誰とでも仲良くするのは利益が出るから。「大好き」も「愛してる」も言う度に吐き気がする。みんなのことはなんとも思ってない。
周りに合わせて恋愛したいとか言うけど恋愛なんて興味無い。他人のこと信じられないどころか人前で猫かぶって人格変えすぎてホントの自分も分からなくなってる。私含めて人間のことが信用出来ない。でも相手にはちゃんと「信じてる」って言って信じるふりをする。
こんな自分を悪いと思うのに、ここまで頑張ってボロを出さずに生活出来て偉いと思ってる。すごく矛盾した人間。
勉強が嫌いなのもできないのも嘘。勉強は好きだしそこそこできる方。授業の内容はほとんど頭に入ってる。でもできないふりをする方が人間関係が上手くいきやすいのは知ってるから勉強が嫌いでできないふりをする。
人との接触はまず利用できるか、価値があるかを重視する。自分ですら価値がないと思えば価値を作ろうとする。相手に価値がなければどうにか価値を作る。そうしないと接触する気になれないから。
でも悪いとは思わない。みんなそうだから。人間なんてそんなもん。でも私は特に酷く醜いと思う。だからこれは誰にも知られちゃいけない、誰も知らない秘密。
#誰も知らない秘密
私は配信者として活動している現役高校生。今日の企画は心霊スポットでの歌みた配信!なんで心霊スポットなのかって?だってそうしたら色んなスリルがあるでしょう?例えば幽霊に脅かされたり呪われたりとか、あるいは立ち入り禁止の心霊スポットに忍び込んだことがバレるとか、変質者が出るかもとか。そんなスリル満点の場所で配信するのって絶対楽しいじゃない。だから心霊スポットで配信するの。普段感じることの出来ない恐怖と快感。それを味わうためにここに来たんだから。さぁ、今日の配信では何が怒るかしら。ちゃんと見届けてね。
「はーい!今日も始まりましたAMIチャンネル!今日は最近話題の心霊スポットで怖い歌を歌って何が起こるか検証したいと思います!しっかり見届けてねー?」といつも通り配信を始めた。最初の10分はいつも通り何事もなく進んでいた。なのに、2曲目を歌ってる途中からコメ欄が荒れ始めた。
「え?どーしたの?なんかコメ欄荒れてるんだけど」
ファンのコメントのほとんどが『 後ろ見て』『 後ろの人誰?』『 そもそもさっきから変な声聞こえね?』ばっかり。何かがおかしい。そう思ってファンに向かって「なになに?どういうこと?後ろって何も無いはずでしょ?だって後ろは壁だもん!誰かちゃんと説明してよ!」と言うと『 後ろに男の人の顔が』とか『 壁から男の上半身生えてる』とか『 なんか唸り声みたいなの入ってる』とか書かれてる。恐る恐る振り返るとそこには不気味な笑顔の男が立っていた。だがその男すごくおかしいのだ。だって腕が捻れて逆折になってるし足なんかちぎれかけてる。怖いのでカメラを持って全力で逃げた。最後に「めっちゃ怖かったね!次はもう少し安全な感じにやるよー!」と言って配信を終えた。
家に帰っても特に何も無いと思った。なのに、至る所にさっきの男が出てくる。結局お祓いをしてもらってあの場所についてもいろいろ聞かされて本当の終わりが来た。今後はもっと命は大事にする。
#スリル