私は配信者として活動している現役高校生。今日の企画は心霊スポットでの歌みた配信!なんで心霊スポットなのかって?だってそうしたら色んなスリルがあるでしょう?例えば幽霊に脅かされたり呪われたりとか、あるいは立ち入り禁止の心霊スポットに忍び込んだことがバレるとか、変質者が出るかもとか。そんなスリル満点の場所で配信するのって絶対楽しいじゃない。だから心霊スポットで配信するの。普段感じることの出来ない恐怖と快感。それを味わうためにここに来たんだから。さぁ、今日の配信では何が怒るかしら。ちゃんと見届けてね。
「はーい!今日も始まりましたAMIチャンネル!今日は最近話題の心霊スポットで怖い歌を歌って何が起こるか検証したいと思います!しっかり見届けてねー?」といつも通り配信を始めた。最初の10分はいつも通り何事もなく進んでいた。なのに、2曲目を歌ってる途中からコメ欄が荒れ始めた。
「え?どーしたの?なんかコメ欄荒れてるんだけど」
ファンのコメントのほとんどが『 後ろ見て』『 後ろの人誰?』『 そもそもさっきから変な声聞こえね?』ばっかり。何かがおかしい。そう思ってファンに向かって「なになに?どういうこと?後ろって何も無いはずでしょ?だって後ろは壁だもん!誰かちゃんと説明してよ!」と言うと『 後ろに男の人の顔が』とか『 壁から男の上半身生えてる』とか『 なんか唸り声みたいなの入ってる』とか書かれてる。恐る恐る振り返るとそこには不気味な笑顔の男が立っていた。だがその男すごくおかしいのだ。だって腕が捻れて逆折になってるし足なんかちぎれかけてる。怖いのでカメラを持って全力で逃げた。最後に「めっちゃ怖かったね!次はもう少し安全な感じにやるよー!」と言って配信を終えた。
家に帰っても特に何も無いと思った。なのに、至る所にさっきの男が出てくる。結局お祓いをしてもらってあの場所についてもいろいろ聞かされて本当の終わりが来た。今後はもっと命は大事にする。
#スリル
転生するなら、鳥になりたい。何故鳥なのかって?だって鳥はどこにでも自由に行けるじゃない。空を飛んで、海を越えて、世界中どこへだって行けるの。人間もそうだろうって?確かに人間も飛行機や船を使えばどこへでも行ける。でも、自分の力じゃないでしょう?私は私だけの力で世界を巡りたいの。素敵でしょう?私には想像力という翼があるわ。想像すればどこへでも行ける。でも、それは所詮想像でしかなくて、本物の世界を見ることはできない。これを一言で表すのなら、そうね、「飛べない翼」じゃないかしら?あなたにあるのは、本物の世界を体験出来る「飛べる翼」?それとも、私と同じで本物の世界を体験することは出来ない「飛べない翼」?どちらも素敵なものよね。でも、ここまで考えてみてもやっぱり、私は転生するなら人間より鳥になりたい。
#飛べない翼
「やぁ。来てくれてありがとう。君と出会って今日でちょうど15年。幼馴染で恋人だよね。でも、もうこの関係を終わりにしたいんだ。」そう言うと泣き出してしまう僕の可愛い彼女。「どうしたの?」そう聞くと『だって、いきなり別れ話されるから、驚きと悲しみに打ちひしがれて……。』なんでそう言う結論になったのかは何となくわかるから、ドッキリ大成功ってことでいいよね?でも、恋人ではなくなる予定だから。「泣かないで?別れ話じゃないんだ。ただ、恋人じゃなくて、夫婦になりたいなってだけで。」そう言うと、彼女はさっきよりも驚いた表情で固まってしまった。『………え?』凄く驚いてくれたみたい。受け入れてもらえるかな?少し不安だけど、はっきり伝える。「ちゃんと言うね。僕と、結婚してください!!!!」そう伝えて、頭を下げて手を差し出して待っている。が、なかなか掴んでもらえない。もしかして振られた!?そう思って顔を上げると、号泣している彼女。そして、彼女は『もちろん!!』と返事をくれた。安心した。とりあえず、恋人という関係は終わりにできた。そしてこれからは夫婦という新しい関係になる。彼女を幸せにできるよう、精一杯頑張ろうと思うよ。
#終わりにしよう
今日は七夕。織姫と彦星が年に一度逢瀬をする、とても素敵な日。でも、私にとっては素敵な日にはならなかった。何故って?さっき彼に振られたの。浮気されてたんだって。「君が1番だ。」「君以上の女性はいない。」って言ってたのに。「君は遊びだったんだ。」って。酷いでしょう?でも、仕方がないのかもしれない。私は仕事が忙しくてあまり遊べなかったし、そういう雰囲気になっても、怖くて受け入れきれなかったから。だから、別れ話もすぐに受け入れたの。今日は七夕だし、短冊に願いを書くことにした。内容は「楽しく幸せに暮らせますように」本当は彼氏も欲しいし、もっといい女になりたい。でも、1番は幸せに暮らすこと。星に願ってみてもいいかなって思ったの。今年は少し雲がかかってるけど、晴れてはいるし、きっと織姫と彦星は出会えたでしょう。幸せに過ごしてるといいな。
幼馴染がいた。私は彼のことが好きだった。だから中学校の卒業式の後恋が叶うってジンクスのある桜の樹の下で告白をした。でも、ジンクスなんて所詮は迷信。結局私の恋は叶うことはなく、彼は都内の高校へ進学、私は地元の高校に進学。中学を卒業してから一度も会うことはなく、現在高校三年生。就職活動真っ最中の私。都内の大手企業への内定を狙っている。そのためとても忙しくしているのだが、今なぜだか分からないけれどふと彼との楽しかった出来事を思いだしていた。
#遠い日の記憶