7/11/2024, 11:03:06 AM
ピコンと音が鳴って、手の中でスマホが震えた。画面上部に吹き出しがひょこりと顔を出す。
“今もすき?”
すき、の2文字にどくんと心臓が跳ね上がる。アイコンと名前を凝視しても、それは変わらない。
今も、すきって、どういうこと……?
1件のLINEで簡単に乱されるわたしを嘲笑うかのように、吹き出しはひゅんとすぐに上へ消える。ロック画面でもう一度確認しようとしたその時、また軽快な音が鳴った。
“甘いもの”
思わず、スマホを放り投げた。
7/11/2024, 10:06:10 AM
朝の予感に目が覚めた。
重い体をそのままにしばらくゆっくりと瞬きをしていると、今日はやけに天井が高いなと思った。そろりと開ききらない目を自分の右側に向けて、ぎょっとする。
海の底のような深い青色で統一されたベッドカバーやシーツ、枕。自分のベッドは白で統一されていたはず。
――わたしのベッドじゃ、ない。
そこまで思い至ると、大きな影が隣でもぞりと動くのを捉えてはっと体を起こした。