「ッたとえ君を助けたことで傷を負ったとしても、裏切られたとしても!!!
俺が君を信じたいんだよ!!!!!」
バカじゃないの。そんなことしたって意味なんかないのに、私よりも弱いくせに、私より頭だって悪い癖に。
でも。
振り上げた剣をその体に突き刺すことは出来なかった。
たとえ間違いだったとしても
感情も、未来も、命も、時間もいらない。あなたが幸せでいてくれるなら。
あなたの幸せがこの先もずっと続いてくれるなら、そのために何か出来ることがあるのなら、僕は何にかえてもあなたを守るよ。
そう君が言ったから。
感情も、未来も、命も、時間も、君が守ってくれた幸福も。
全部君と分けてしまいたいと思ったの。
何もいらない
「未来が見れたらどうする?」
「未来が見れたら……うーん、十年後の自分とか見たい」
「働いてるかな?」
「いーや結婚してるね、スパダリと」
「出たよ、願望は程々にしな!」
「黙れ! お前は犬飼ってそう」
「どう見てもうさぎさんだろうが、うさぎさん飼ってそうな見た目だろうが」
「あと一年なんだって。……悔いなく過ごさなきゃ」
もしも、未来を見れるなら、だなんて。
未来なんて。
お前がいない未来なんて、いらないのに。
もしも未来を見れるなら
今日の食事は豪華! お魚と白米だけじゃなく、具沢山のお味噌汁もついていてしかもとっても美味しかった。
食事の後はよく髪を洗ってもらって、香油まで塗ってもらった。いつもは井戸の水で適当に拭くだけだったから何だか新鮮だ。
肌触りの良い真っ白な着物に袖を通す。まるで白無垢か、白装束のよう。
歩いていると村の人達と目が合う。こんなにもめかしこんだ私が珍しいのね! 気分が良かったので手を振ると視線はサッと明後日へ移動した。照れてるのかな?
着いてきてくれた村長にもさよならの手を振って、私は湖の中を進んでいく。怖くはない。
かみさま! 私の神様! 今、逢いに行きます!
神様へ
私のイメージカラー、なんだと思う? そう聞かれたから、僕は迷いなく青が似合うと言った。
「えっ、でも私、服は茶色ばっかりだよ?」
「うん。でも青だよ。」
頭の上に疑問符を浮かべる妹をそっと撫でる。妹にはピンと来ていなかったらしいけれど僕の意見は変わらない。
お前に似合うのは、いつだって雲ひとつ無い青空だったからね。
快晴