"消えない焔"
何度も泣いて、辛い思いをして。
挫折して、倒れて。
それでも諦めきれないと歯を食いしばって立ち上がる。
夢だとか、理想だとか。
きみにしか見えないなにかを見つめるその姿が、
僕にはひどく遠いものに思えた。
"終わらない問い"
あなたの"赤"と、僕の"赤"は同じですか?
見ているものは、聞いているものは、
本当に同じものですか?
それをどうやって同じ/違うと証明しますか?
"揺れる羽根"
天秤の片側に羽根を乗せた。
僕の心臓はこの羽根よりも重いのだろうか。
揺れる羽根をただ無表情に見つめ続ける。
果たして、僕の罪は如何程か。
天秤の片方に死者の心臓、もう片方に真実の羽根を。エジプトの死者の書によると、
両者に釣り合いが取れれば楽園への旅へ。
生前の悪事によって心臓が重く、天秤が傾いた場合は怪物に心臓を貪り食われて第二の死を迎えるそうな。
古代エジプト辺りって独特の考え方があるよね。
神話なんかも様々な異説や矛盾があって複雑だけど、逆に言うとバラエティ豊かで読み応えがあるし。
それにしても。
物質的なものでは無いんだろうけどさ、
羽根と釣り合う重さの心臓って条件厳しすぎない?
初めて知った時、救いなんてなくて、全員もれなく怪物に食べられて消滅しますよ、て事を意図しているのかと思った。
"無人島に行くならば "
海賊の掟に倣って、一発の弾丸を込めた銃が欲しいな。
エドワード・イングランドやアレキサンダー・セルカークのように生き延びる気力はないもので。
"秋風🍂"
秋風凛冽な朝。
郵便受けに届いた招待状に、もうそんな時期だったかと季節の巡りの早さを思う。
劇場のチケットと、数語だけの簡潔な手紙。
同封されたパンフレットに記された見知った名前を指先でそっとなぞった。
長年の夢を叶えたその果てで、きみが見た景色はどんなものだったのだろう。
かつて一人ぼっちで屋上フェンスの向こう側に立っていたきみは、今や沢山の仲間に囲まれて舞台の上に。
それでもその瞳には恐ろしいほどの飢えがへばりついて消えないままだ。
"先輩には分からないでしょうね"と泣いていたきみが、なぜ毎年招待状を送りつけてくるのか。
その理由は、ずっと分からないままにしておきたい。