ミヤ

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5/9/2025, 11:24:48 PM

"夢を描け"

小学生の頃、作文でこんな感じのお題があったなぁ。
最終目標はなるべく痛みのない終わりだとして。
その途中経過として、本と猫に囲まれた素敵ライフを送ることが夢だと書いた気がする。

"よく書けていますね"と褒められた後。
"それで、将来どんな職業に就きたいですか?"と聞かれたので、"自立できてお金を稼げる職業です"と答えたら、二度見どころか三度見された。
まぁ、ふわふわほのぼのした内容を書いていた奴が急に地に足のついた事を言い出したら驚くか。

どんな人でも、どんな立場でも夢を描くことは出来る。でも、夢と将来を混同できるのは余裕がある証拠だと思う。それか、よっぽど覚悟が定まっているか。空想はいくらでもできるけど、現実は世知辛い。

5/8/2025, 11:15:59 PM

"届かない……"

鏡に映った花、水面に輝く月。
雲の上、高嶺の花。
胡蝶の夢、夢幻泡影… は違うか。届かないというより儚さの喩えだった。
手の届かないものを酸っぱい葡萄とくさすことなく、綺麗な姿のままで見ることができるのは一種の才能だと思う。

5/7/2025, 11:19:20 PM

"木漏れ日"

涼やかな風と、葉擦れの音。
人の声は遥かに遠く、木々を透かした柔らかな陽射しが眠気を誘う。
本を読んでいたはずが、いつの間にかうとうとと微睡みの中にいた。

こちらに近付く足音に、ふ、と意識が浮上する。
抜き足差し足忍び足。
僅かに漏れる、隠し切れない笑みの気配に貴女だと直感する。
貴女ならいいか、と固まりかけた意識を再度微睡みに蕩かせた。

そろそろと近づいてきた足音が止まり、息を詰めるような間のあと、声を潜めて笑う気配。
ゆっくりと頭を撫でられる感触を最後に、深い眠りに落ちていった。

5/6/2025, 11:26:23 PM

"ラブソング"

明るい曲調で、先の無い階段を一段ずつ上がっていくような。
どこかで掛け違えて狂った歯車のような。
壊れた青い空のような、
そんな死へのラブソングを聴きたくなる日もある。
生への賛美を歌った曲が時々ひどく息苦しい。

5/5/2025, 12:42:23 PM

"手紙を開くと"

万年筆を紙面に滑らせる。
仕事の時は専ら楷書で書くけど、私書はつなげ字で書くことが多い。筆記体もそうだけど、そっちの方が速いんだよね。それに、手紙を開けた時に紙面が柔らかい感じがする。
普通に書くと印刷したようで面白味がないからなぁ。
読みやすいとは言われるけど、業務連絡みたいな感じになる。

貴女の字も特徴的で、カードを貰った時には嬉しかったんだよな。
自己満足だとしても、どうせ送るなら少しでも喜んでもらえたらと思ってしまう。

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