ミヤ

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"木漏れ日"

涼やかな風と、葉擦れの音。
人の声は遥かに遠く、木々を透かした柔らかな陽射しが眠気を誘う。
本を読んでいたはずが、いつの間にかうとうとと微睡みの中にいた。

こちらに近付く足音に、ふ、と意識が浮上する。
抜き足差し足忍び足。
僅かに漏れる、隠し切れない笑みの気配に貴女だと直感する。
貴女ならいいか、と固まりかけた意識を再度微睡みに蕩かせた。

そろそろと近づいてきた足音が止まり、息を詰めるような間のあと、声を潜めて笑う気配。
ゆっくりと頭を撫でられる感触を最後に、深い眠りに落ちていった。

5/7/2025, 11:19:20 PM