ミヤ

Open App
3/22/2025, 3:56:13 PM

"bye bye…"

"bye bye…"とお別れする筈だったのに。
やっぱり駄目だ、手放すなんて出来ない。

棚からあぶれた本の山を、いい加減どうにかするつもりだった。
断腸の思いで、もう読まなくなった本を売りに出す為に段ボール箱に入れていこうと決意したはずなのに。
不思議なことに、一向に箱が埋まらない。

本を手に取って、タイトルを見て、表紙を見て。
本の内容は勿論、購入した当時の状況まで思い出せるものだって沢山あるんだ。
初めて自分で選んで購入したものだったり。
時間潰しで入った本屋でたまたま手に取り、思いがけず面白くてシリーズで揃えてしまったものだったり。
商業デビューからずっと追っている作家さんの本だって、置いておきたいじゃないか。

箱に入れた僅かな本を取り出し、段ボール箱を畳む。
やはり本を売るのではなく、新しい棚を買うべきだ。
きっと部屋の床板は重みに耐えてくれるさ。

3/21/2025, 3:25:19 PM

"君と見た景色"

しんしんと積もる雪だったり。
ぱたぱた、ざあざあと降る雨だったり。
あるいは、雲ひとつなくカラッと晴れ渡った青空だったり。
同じ場所、何気ない景色でも、その時々によって色が変わる。
外を眺めて、飲み物片手に、貴女とちょっとした事を報告し合うのが日課だった。

貴女と見た景色は、今も変わらずここにある。

3/20/2025, 2:21:42 PM

"手を繋いで"

遠い昔、手を繋ぐあの人を見上げて。
なんでこの人は僕を殺してくれないのかな、と
ずっとそう思っていた。

時折向けられる視線の中には、確かに息を呑むほど鮮烈な憎悪が宿っていたのに。

あの人は僕に何を望んでいたんだろう。
今になっても分からないや。

3/19/2025, 3:10:45 PM

"どこ?"

いつだって、自分を捨てられる場所を探している。

どうして此処なのだろう。
どうして此処でなければならなかったのだろう。
時々、息が詰まりそうになる。
自分はどうして、この水槽のような場所からどこにも行けないのだろうか。

望んでいたわけじゃない。
けれど、どうしても。
どうしようもなく、生きていることが息苦しかった。

救いはあるのかもしれない。
でもそれは、明るい光の下では決してない。
深く、昏い、水の底だ。

3/18/2025, 1:02:00 PM

"大好き"

大好き、ねぇ…。
人によっては呪いの言葉だな。

Next