上を見て口をあけると考え事がしにくくなって涙が止まるそうです。涙がこぼれないように上を向くというのは根拠があったんだと感心しました。でも現実的に上を向いたまま歩くことはできません。結局は泣きながら前を見て歩き続けるしかないんだと余計に悲しくなりました。

大人になると自分が子供だったことなんて忘れてしまうし、子供の頃は自分がいずれ大人になるなんて考えもしないし。窓越しに見えるのはいつだって自分には関係のない世界だ。

「どっかに行きたい」
「漠然としてるね。どこ行きたいの？」
「どこでもいい、どっか行きたい」
「ここではないどこか、ってやつか」
「そんな感じ。特に行きたい場所があるんじゃなくて」
「とにかくここに居らんないのね」
「何なんだろ、この衝動」
「理由もなく焦っちゃう時あるよ」
「やるせないよー」
「じゃあさ、とりあえずマクドナルド行こう」
「安直な近場だぁー」
「魔女の宅急便コラボメニューだって」
「行くわ」
「いざ行かん、ここではないどこか」
「ここではないマクドナルドへ！」
「落ち込んだりもするけれど、私、この街が好きです！」

君がもういないことよりも
君と最後に会った日のこと
思い出せないのが悲しいよ

こどものころは
すきもきらいも
すなおだったね